演題

PO13-2

原発性肝癌における LINE-1メチル化の臨床的意義

[演者] 宮田 辰徳:1
[著者] 山下 洋市:1, 馬場 祥史:1, 塚本 雅代:1, 北野 雄希:1, 中川 茂樹:1, 今井 克憲:1, 近本 亮:1, 石河 隆敏:1, 馬場 秀夫:1
1:熊本大学大学院 消化器外科学

【背景】
Long interspersed nucleotide factor-1(LINE-1)は,ヒトゲノム内に最も豊富に存在する転位因子であり,ヒトゲノム全体の17%を占めるため,ゲノムワイドなメチル化の指標とされている.これまで食道癌,胃癌,大腸癌においてLINE-1のメチル化レベルと予後との関連性について報告されているが,原発性肝がんに関する報告は少ない.

【目的と方法】
原発性肝癌におけるLINE-1メチル化の臨床的意義について検証することを目的とした.2000年1月から2016年2月に,当科で根治的初回肝切除を行った原発性肝癌286例を対象とした.LINE-1のメチル化は,パラフィンブロックからDNAを抽出し,パイロシークエンス法により測定した.

【結果】
原発性肝癌は,肝細胞癌208例(72.7%),肝内胆管癌70例 (24.5%),混合型肝癌8例 (2.8%)であった.LINE-1のメチル化は,癌部で69.1±0.75%,非癌部で81.2±0.93%と,癌部で優位に低下していた(p<0.0001)が,癌部の低メチル化群(n=162)と高メチル化群(n=121)の予後に有意差は認めなかった(log-rank:無再発生存;P=0.1775,全生存;P=0.7836).組織型ごとの検討では,肝細胞癌(P<0,0001),混合型肝癌 (P=0.0234)では癌部で有意なLINE-1の低メチル化を認めたが,肝内胆管癌では認めなかった(p=0.0551).また,肝細胞癌ではLINE-1の低メチル化症例では有意に無再発期間の短縮を多く認めたが (log-rank:P=0.0214),混合型肝癌 (P=0.9315),肝内胆管癌 (0.2769)では有意差を認めなかった.全生存に関しては,低メチル化症例,高メチル化症例間で有意差は認めなかった.

【結論】
原発性肝癌において,肝細胞癌,混合型肝癌で有意なLINE-1の低メチル化を認めた.また,LINE-1の低メチル化は肝細胞癌の再発予測に有用である.
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