演題

PN16-3

VIOソフト凝固を用いたTwo-surgeon techniqueによる肝切除の治療成績

[演者] 山田 靖哉:1
[著者] 吉井 真美:1, 岡崎 由季:1, 河本 真大:1, 加藤 幸裕:1, 金原 功:1, 阿古 英次:1, 山本 篤:1, 西村 重彦:1, 妙中 直之:1
1:住友病院 外科

【目的】肝切除の合併症を減少させるためには手術時間の短縮および,術中出血量の減少が重要である.肝切除においては肝切離と止血という2つの手技が必要とされる.その2つの手技を術者一人で行うのは効率的な手技とはいえない.2005年に米国のM.D.アンダーソン癌センターのAloiaらによって,CUSAとTissueLinkを用いたTwo-surgeon techniqueの有用性について報告がなされた.そこで,我々は2012年より術者がCUSAによる肝切離を担当し,第一助手がVIO ソフト凝固による止血を行うTwo-surgeon techniqueを導入し,その治療成績を検討した.
【対象と方法】2012年10月から2016年11月の間に,当院で肝切除を施行した97例を対象とした.肝切除は,肝切離線を第一助手がVIOにてprecoagulationを行い,その後,術者がCUSAにて脈管を残しながら肝実質を粉砕し,肝切離を行った.3mm以上の脈管は結紮切離し,それ以下の脈管はVIOで凝固した後に電気メスで切離した.全症例においてPringle maneuverは用いなかった.
【結果】手術症例(97例)の内訳は平均年齢65.7歳で,男性57例,女性40例であった.疾患は肝細胞癌39例,転移性肝癌33例,胆嚢癌11例,肝内胆管癌7例,その他7例であった.全症例の平均手術時間は224.9分で,平均出血量は176.1mlであり,輸血を必要としたのは術前に貧血を認めた1例(1.0%)のみであった.術後合併症は胆汁漏を3例(3.1%)に認めたが保存的に改善した.その他の合併症は認めなかった.区域切除以上の34例と,亜区域切除以下の63例に分けて検討したところ,区域切除以上の症例の平均手術時間は297.6分で,平均出血量は264.8mlであった.亜区域切除以下の症例の平均手術時間は185.7分で,平均出血量は128.2mlであった.区域切除以上の症例は亜区域切除以下の症例と比較して有意に手術時間が長く出血量が多かった.
【結語】CUSAとVIOソフト凝固を用いたTwo-surgeon techniqueによる肝切除は,他の報告と比較しても,手術時間,出血量の観点において有用な手術手技であると考えられた.また,教育面において指導医がVIOソフト凝固を使用して止血を行うことにより,出血のコントロールを十分に行うことができるので,余裕を持った指導が行えるという利点もある.
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