演題

PN15-2

小児生体肝移植後早期再開腹症例の検討

[演者] 岡田 憲樹:1,4
[著者] 眞田 幸弘:1, 浦橋 泰然:1, 井原 欣幸:1, 山田 直也:1, 平田 雄大:1, 片野 匠:1, 牛島 健太郎:2, 大友 慎也:3, 水田 耕一:1
1:自治医科大学医学部 移植外科学, 2:自治医科大学医学部 臨床薬理部門, 3:自治医科大学附属病院 薬剤部, 4:国立国際医療センター国府台病院 外科

背景
肝移植後の早期再開腹は予後不良因子であると報告されているが,小児生体肝移植における早期再開腹に関する報告は少ない.今回,小児生体肝移植後に早期再開腹を必要とした症例について検討したので報告する.
方法
対象は2001年5月~2015年10月までに当院で施行した小児生体肝移植症例の265例272回.早期再開腹症例の危険因子とその予後について後方視的に解析した.早期再開腹は移植後3カ月以内の再開腹手術と定義した.
結果
32例(33回,12.0%)に対し49回の早期再開腹手術を施行し,その原因は,腹腔内出血 12回,血管合併症 12回,消化管穿孔 9回,腹腔内膿瘍 7回,腸閉塞 3回,2期的腹壁閉鎖 2回,その他 4回であった.早期再開腹は移植後19.1±19.1日目に施行した.早期再開腹症例は非再開腹症例に比べて,術前PELD/MELD scoreが有意に高く (13.7 vs 6.3, p=0.0047),また移植手術時間 (17時間03分vs 14時間46分, p=0.015)と術中出血量( 193.0ml/kg vs 99.4 ml/kg, p=0.025)に有意差を認めた.早期再開腹症例のレシピエント生存率とグラフト生存率は75.0%と63.6%であり,非再開腹症例は96.6%と95.8%であった(いずれもp<0.001).また再開腹手術の原因を感染と非感染に分けたところ,それぞれのレシピエント生存率は50.0%と86.7%であり,感染による再開腹症例で有意に生存率が低下していた(p=0.028).
結語
小児生体肝移植後早期再開腹症例のレシピエント生存率とグラフト生存率は有意に低下しており,術前PELD/MELD score,移植手術時間,移植時出血量が早期再開腹の危険因子であった.特に消化管穿孔や腹腔内膿瘍などの腹腔内感染に対する早期再開腹手術は予後不良であり,早期発見治療が必要と思われた.
詳細検索