演題

PN15-1

脳死肝移植を推進するための学生に対するDonor Actionの必要性について

[演者] 齋藤 裕:1,3
[著者] 島田 光生:1,3, 瓜生原 葉子:2,3, 居村 暁:1, 良元 俊昭:1, 高田 厚史:1, 吉川 雅登:1, 岩橋 衆一:1, 池本 哲也:1, 森根 裕二:1
1:徳島大学病院 消化器・移植外科, 2:同志社大学 商学部, 3:日本移植学会 臓器提供推進委員会

【背景】日本におけるドナー不足は深刻な問題であり,人口あたりの臓器提供者数は韓国の10分の1である.Organ procurement organization (OPO)の設立など,制度の問題も大きいが,国民の臓器提供の意思表示率の低さも重要な問題点である.我々は,2010年よりDonor Actionとしての臓器移植推進月間シンポジウムを市民公開講座として,かつ,医学部生に対する講義としても行っている.今回シンポジウム開催前後のアンケート結果を解析し,医学部生の移植医療に対する理解促進のための啓発活動の意義と必要性について検討した.
【対象と方法】2010年~2016年のシンポジウム終了後に医学部生(医学科,保健学科)を対象に臓器移植に関するアンケートを実施した.内容は意思表示の有無,臓器移植に関する一般知識,脳死の倫理観,日本で脳死下臓器提供を増やすために必要なこと,など年次毎の動向について解析した.
【結果】参加人数は2010年が63名であったが,2016年には一般参加者含めて203名に達した.2010年に7%であった臓器提供の意思表示率は2016年には21%まで上昇しており,さらに,シンポジウム後では,ほぼ100%の学生が意思表示すると回答した.脳死を人の死として受容するかに関しては,70~90%が受容しており,年々増加傾向を認めている.また,日本の移植成績が世界No1であることなど,ほとんどの学生が知らなかったも事実である.日本での脳死下臓器提供を増やすために必要なこととして,著明人のPR活動・スマートフォンやSNSの活用・Opting outの導入など,若者ならではの意見が得られた.
同志社大学商学科瓜生原研(MUSUBU 2016)においては,臓器提供認知向上レッスンを受講した最大人数でギネス世界記録を達成するなど,医学部に限らず,意思表示の和を広げている.2016年の我々のシンポジウムにおいても,商学部・医学部の学生たちが,意思表示の和を広げるためのワークショップにおいて発表し討論するなど,学生自身の啓発活動への意思が確実に芽生え始めている.
【結語】若い世代の学生に対するDonor Actionは,少なからず臓器提供に対する意思表示の和を広げることができ,日本のドナー不足解消の一助になる可能性がある.
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