演題

PN14-4

原発性硬化性胆管炎に対する肝移植の治療成績

[演者] 信岡 大輔:1
[著者] 八木 孝仁:1, 楳田 祐三:1, 吉田 龍一:1, 杭瀬 崇:1, 熊野 健二郎:1, 國府島 健:1, 高木 弘誠:1, 荒木 宏之:1, 藤原 俊義:1
1:岡山大学大学院 消化器外科学

【背景】原発性硬化性胆管炎(PSC)は難治性の慢性胆汁鬱滞性肝疾患であり,唯一の根本的治療法は肝移植とされている.しかし,日本肝移植研究会の肝移植症例登録報告によると日本におけるPSCに対する生体肝移植の治療成績は他疾患に比べて不良とされ,その原因としては血縁ドナーからの生体肝移植後のPSC再発と胆道癌合併の問題が指摘されている.
【目的】当施設におけるPSCに対する肝移植の症例を後方視的に検討する.
【対象と方法】当施設にて1996年から2015年までの間に行った肝移植371例(生体346例,脳死25例)のうち,PSCに対して肝移植を行った12例(生体11例,脳死1例)を対象とし,カルテから得られる臨床情報をもとに検討を行った.
【結果】生体肝移植11例中,血縁ドナーは7例,うち一親等ドナーは5例であった.一親等ドナーからの生体肝移植5例中,1例に移植後6年でPSC再発を認めたが再発診断後もグラフトロスに陥ることなく以後7年間生存中であった.一方で脳死肝移植を施行した1例も術後4年でPSC再発を認めた.死亡例は12例中4例(拒絶2例,胆道癌2例)であり,PSCに対する肝移植の生存率は他疾患よりも不良であったが,PSC再発に伴うグラフトロスは1例も認めなかった.
【考察】当院で肝移植後の PSC 再発に起因するグラフトロスがない理由としては,肝移植後早期のプログラムドパルスや長期に渡るステロイド継続などの適切な免疫抑制療法が施されている可能性が示唆された.胆道癌の合併は今後克服すべき重要な課題であり,術前診断の精度向上や術後補助療法の確立などが急務である.
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