演題

PN14-3

当院におけるドミノ肝移植の成績およびドミノ肝移植2次レシピエントの長期予後の検討

[演者] 三浦 宏平:1,2
[著者] 成田 泰子:1, 林田 信太郎:1, 大矢 雄希:1, 山本 栄和:1, 小林 隆:2, 若井 俊文:2, 菅原 寧彦:1, 猪股 裕紀洋:1
1:熊本大学大学院 小児外科学, 2:新潟大学大学院 消化器・一般外科学

【目的】肝移植におけるドナー不足への打開策の一つとして家族性アミロイドポリニューロパチー(FAP)患者を2次ドナーとしたドミノ肝移植が行われているが,その治療成績や2次レシピエントの長期予後に関しては不明な点が多い.当院では2003年5月にドミノ肝移植を導入したのち,2016年9月までに計23例を施行している.今回,当院におけるドミノ肝移植の成績とドミノ肝移植2次レシピエントの長期予後について検討した.
【対象と方法】2003年5月から2016年9月までにFAP患者を2次ドナーとして施行されたドミノ肝移植症例23例を対象とした.
【結果】ドミノ肝移植レシピエントは男性18例(78.3%),女性5例(21.7%),移植時年齢は48.3歳であった.原疾患は肝細胞癌8例(34.8%),肝硬変7例(30.4%),グラフト不全による再移植4例(17.4%),その他の疾患4例(17.4%)であった.MELD scoreは16.8点,Child-Pugh scoreは9.8点であった.手術時間は957.9分,出血量は257.8ml/㎏であった.グラフト肝は全例全肝で,GRWRは1.50%であった.術後在院日数は92日で術後1年生存率は83.0%,5年生存率は74.0%であった.術後5例(21.7%)で腹壁脂肪および胃・十二指腸にアミロイド沈着をみとめた.アミロイド沈着の出現時期は術後5年2ヶ月~9年で平均7年2ヶ月であった.その後3例でアミロイド沈着診断から5ヶ月~2年後にニューロパチーを発症した.現時点でFAPの発症による再移植症例はない.ドミノ肝移植ドナーは男性8例(34.8%),女性15例(65.2%),移植時平均年齢は36.5歳であった.原疾患は全例FAPでFAP発症から手術までの平均期間は23.7ヶ月であった.ドミノ肝移植ドナーは2016年12月現在,全例生存中である.
【結語】ドミノ肝移植はドナー不足を補う有用な治療法といえるが,術後レシピエントのニューロパチー発症に関しては今後も定期的な精査と注意深い経過観察を要する.
詳細検索