演題

PN14-2

肝移植後のC型肝炎に対するDirect-acting Antiviral Agents(DAAs)療法の経験

[演者] 大野 康成:1
[著者] 浦田 浩一:1, 細田 清孝:1, 増田 雄一:1, 三田 篤義:1, 中澤 勇一:1, 小林 聡:1, 宮川 眞一:1
1:信州大学附属病院 移植外科・小児外科

【緒言】肝移植後のC型肝炎再発はグラフト喪失の原因となっていた.近年,Direct-acting Antiviral Agents(DAAs)を用いた抗HCV療法で良好な治療効果が認められ,肝移植領域でも有効性が認められてきている.肝移植後当科でのDAAsを用いた治療経験について検討した.【対象・方法】C型ウイルス性肝硬変に対し肝移植を行った46症例のうち,肝移植後DAAs治療を行った9例を対象とし,retrospectiveに治療効果や合併症を検討した.【結果】ジェノタイプは2aの1例を除いて1bであった.免疫抑制療法はタクロリムス(Tac)単剤7例,Tac+ミコフェノレート酸モフェチル(MMF)1例,シクロスポリン(CyA) +MMF1例で,Child-Pugh分類A;6例,B;2例,C;1例で,HCV-RNA量は1.2-7.0 log/mLであった.初回治療例が5例,IFN治療後の再燃例1例,INF療法脱落例3例で,脱落理由は心不全,網膜剥離,繰り返す蜂窩織炎であった.sofosbuvir(SOF)+Ledipasvir(LDV)4例,PEG-IFN+RBV+simeprevir(SMV)療法2例,daclatasvir(DCV)+asunaprevir(ASV)療法2例,及びSOF単剤1例を導入した.PEG-IFN+RBV+SMV療法の2例中1例でSVR24を達成し,1例では敗血症を生じたため治療を中断した.DCV+ASV療法の2例とSOF単剤療法の1例は,治療を中止する有害事象を認めなかった.SOF+LDV療法の4例中,2例はSVR24を1例はSVR12を達成した.もう1例は肝機能障害が増悪し中断したが,ウイルスは陰性化している.PEG-IFN+RBV+SMV療法の1例とSOF+LDV療法の1例でHCV陰性後も肝機能障害が遷延し,2例ともに肝委縮を認め,そのうち1例はSVRとなったが自己免疫肝炎を合併し死亡した.【まとめ】肝移植後のC型肝炎再発後のIFN治療脱落・再燃例においても,DAAsを用いた抗HCV療法は,高率に血中HCV-RNAの消失を認めたが,HCV陰性後も肝機能障害が遷延する症例があり,慎重な経過観察が必要である.
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