演題

PM15-6

転移性肝腫瘍におけるGd-EOB-DTPA造影MRIを用いた肝機能及び背景肝の病理組織学的検討

[演者] 高野 奈緒:1
[著者] 杉本 博行:1, 高見 秀樹:1, 林 真路:1, 山田 豪:1, 中山 吾郎:1, 小池 聖彦:1, 藤井 努:1, 藤原 道隆:1, 小寺 泰弘:1
1:名古屋大学大学院 消化器外科学

目的:肝細胞特異性造影剤であるガドキセト酸ナトリウムによる造影MRI(以下EOB-MRI)は転移性肝腫瘍における微小病変の描出に有効である.一方肝実質の障害は肝細胞相におけるEOBの取り込み低下を来す.今回術前EOB-MRIにおいて,背景肝の肝細胞相におけるMRI値と術前ICG検査,病理組織像及び化学療法との関連について検討を行った.
方法:2011年4月から2016年10月までに当教室において肝切除を行った肝炎及び肝硬変のない転移性肝腫瘍33例を対象とした.EOBの取り込みは肝細胞相における肝臓のMRI信号値を脾臓のMRI値に対する比(以下L/S比)を用いて評価した.ICG検査は術前一週間以内に施行した.背景肝の組織学的所見は類洞閉塞症候群(SOS)をそれぞれGrade 0:所見なし,1:mild,2:moderate,3:severe,脂肪変性(steatosis)をGrade 0:なし,1:30%未満,2:30~60%,3:60%以上の4段階に分類した.
結果:男女比は2:1,年齢中央値は63歳(30-86歳)で,原疾患は大腸癌27例,膵神経内分泌腫瘍2例,胃癌,膵癌,十二指腸癌,子宮癌がそれぞれ1例であった.術前のEOB-MRIにおけるL/S比中央値は2.21(1.29- 3.80),ICG-K値中央値は0.158(0.07-0.23)であり,L/S比とICG-K値の間には有意な相関を認めた(r=0.512, p=0.009).術前にオキサリプラチンの投与歴のある群19例におけるL/S比中央値は2.04であり,投与歴のない群(2.44)と比べ有意に低値であった(p=0.034).また,背景肝の病理組織像におけるSOS及びsteatosisのGradeの計が3以上の群(n= 8)では,L/S比の有意な低下を認めた(p=0.032).
考察:EOB-MRIは微小肝転移の検出と同時に肝機能評価が期待でき,薬剤による肝障害の程度や背景肝の組織学的変化を反映する可能性が示唆された.
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