演題

PM15-4

高齢者に対する大腸癌肝転移手術後の再発パターンと予後について

[演者] 畑 太悟:1
[著者] 三瀬 祥弘:1, 寺澤 無我:1, 水野 智哉:1, 石沢 武彰:1, 井上 陽介:1, 伊藤 寛倫:1, 高橋 祐:1, 齋浦 明夫:1
1:がん研究会有明病院 消化器外科

背景と目的:化学療法を組み合わせた集学的治療の時代において,高齢者の大腸癌肝転移手術後の再発治療と予後については十分な議論がされていない.初回肝転移に対する手術治療後の再発と予後について年代別に比較検討した.
対象と方法:2008年から2012年に当院で大腸癌肝転移に対し初回肝切除手術を施行した286例とその後再発した195例を対象とした.初回肝切除をした症例と再発した症例はそれぞれ非高齢者(65歳未満n = 166,n=112),前期高齢者(65歳以上75歳未満n = 92,n=64),後期高齢者(75歳以上n = 28,n=19)で患者背景,手術成績,再発形式,予後を各群で比較検討した.
結果:初回肝転移切除後の再発率は非高齢者:68%,前期高齢者:70%,後期高齢者:68%と有意差を認めなかった(p = 0.95).再発のうち肝転移のみの割率は非高齢者:42%,前期高齢者:53%,後期高齢者:63%で有意差を認めなかった(p = 0.18).一方,肝外転移でもっとも多い再発形式は肺転移であったが,肝外転移の割合は非高齢者:32%,前期高齢者:38%,後期高齢者:21%と有意差を認めなかった(p = 0.62).肝再発のみで検討してみると再肝切除を施行した割合は非高齢者:81%,前期高齢者:85%,後期高齢者:42%と有意に後期高齢者で低値であった(p = 0.006).初回肝切除での検討では後期高齢者は既往率が有意に高いが,実施された術式や手術時間,術後合併症では非高齢者,前期高齢者と有意差を認めなかった.しかし術後補助化学療法の施行率(非高齢者:63%,前期高齢者:55%,後期高齢者:18%(p<0.001))と疾患特異的生存率(非高齢者:58%,前期高齢者:64%,後期高齢者:44%(p=0.011))に関しては非高齢者,前期高齢者と比べて有意に低値であった.
結語:大腸癌肝転移に対する初回手術治療後の再肝転移に対する再肝切除率は,後期高齢者で有意に低い結果となった.後期高齢者で術後の予後不良となる原因として,術後化学療法の有無と再肝切除の有無が関係する事が示唆された.
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