演題

PM14-7

大腸癌肝転移におけるラジオ波凝固療法を併用した肝切除術の有効性

[演者] 山尾 宣暢:1
[著者] 今井 克憲:1, 山下 洋市:1, 梅﨑 直紀:1, 甲斐田 剛圭:1, 中川 茂樹:1, 橋本 大輔:1, 近本 亮:1, 石河 隆敏:1, 馬場 秀夫:1
1:熊本大学大学院 消化器外科学

【目的】大腸癌肝転移(CRLM)に対する肝切除(HR)とラジオ波凝固療法(RFA)の併用療法は未だ議論の余地があるところである.当科では腫瘍の局在や肝機能に応じて,肝切除時にRFAを併用している.今回我々は,多発CRLMに対するHRとRFAの併用療法の有用性について検討した.
【対象】2001年から2016年までに,CRLMに対する初回外科的治療として,HRもしくはHR+RFAを施行した180例を対象とした.propensity-score matchingを用いて背景因子をマッチングさせた後,術後の短期および長期成績を比較検討した.RFAは全てHRと同時に施行し,深在性の病変で肝実質を温存する際に適応とした.
【結果】HR群は153例,HR+RFA群は27例であった.最大腫瘍径はHR群で有意に大きく(中央値3 vs 2 cm, p=0.021),腫瘍個数はHR+RFA群で有意に多かった(中央値2 vs 11, p<0.0001).また,腫瘍の両葉局在(32 vs 78%, p<0.0001),術前化学療法の施行(48 vs 53%, p=0.0048)はともにRFA併用肝切除群で有意に多かった.系統的肝切除(44 vs 6.9%, p=0.014)は肝切除群で有意に多かった.年齢,性別,原発巣部位,原発巣のTおよびN因子,再発時期,腫瘍の局在(片葉もしくは両葉),系統的切除の有無,腹腔鏡の使用,腫瘍径,腫瘍個数,血清CEA値およびCA19-9値,術前化学療法の有無,initial resectability,肝外転移の有無の16項目について両群を1対1(HR群n=24,HR+RFA群n=24)で propensity-score matchingを施行した.matched cohortでは術前患者背景因子に有意差はみられなかった.術後短期成績では,術中出血量,手術時間に有意差はみられなかった.合併症発生率(Clavien-Dindo分類II以上)では両群に有意差は認めなかった(14 vs 36%, p=0.082).全生存および無再発生存はそれぞれ有意差を認めなかった(5年生存率:49.6 vs 62.1%, p=0.40, 5年無再発生存率:14.7 vs 10.1 vs %, p=0.40).また,whole cohortでの治療の局所再発率は,肝切離面(0 vs 4.6%, p=0.31)で有意差はみられず,RFA治療部位では4.6%であった.
【まとめ】CRLMの外科的治療におけるHRとHR+RFAの治療成績を検討した.HR+RFAの短期および長期成績はHR単独と比較して差はなく,局所再発においても術後成績は良好であった.HRにRFAを併行することは多発CRLMに対する治療法として有用である.
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