演題

PM14-6

大腸癌肝転移に対する3回以上肝切除の意義

[演者] 定光 ともみ:1
[著者] 高 済峯:1, 富田 理子:1, 竹井 健:1, 切畑屋 友希:1, 中多 靖幸:1, 松阪 正訓:1, 向川 智英:1, 石川 博文:1, 渡辺 明彦:1
1:奈良県総合医療センター 外科

【目的】大腸癌肝転移治療の第一選択は肝切除であり,肝切除後の残肝再発に対しても再肝切除が考慮される.しかし,再肝切除に際しては,残肝機能や癒着等,切除の困難性も考慮されなければならない.また,何回まで肝切除を行うべきかについても明確な基準はない.これまで再肝切除の治療成績を検討した報告は多くなされてきたが,特に3回以上肝切除例について検討した報告は少ない.当科における3回以上肝切除症例の治療成績とその意義について検討した.【対象患者と方法】2008年から2015年までに,大腸癌肝転移に対し肝切除を施行した109例を対象とし,初回肝切除,2回目肝切除,3回以上肝切除に分類し,手術成績を比較した.【結果】症例全体では,男性は59例,女性は50例,平均年齢は65歳であった.初回肝切除例は73例,2回目肝切除例は25例,3回以上肝切除例は11例であり,最大肝切除回数は6回であった.平均手術時間は初回肝切除373±143分,2回目肝切除348±118分,3回以上肝切除314±103分であった.平均出血量は初回954±921ml,2回目1047±1221ml,3回以上1069±676mlであった.Clavien-Dindo分類Ⅲ以上の術後合併症は,初回でⅢa3例,Ⅲb1例,2回目でⅢa2例,3回目以上でⅢb1例であった.手術死亡例はなく,在院日数の中央値は初回14日,2回目14日,3回以上15日であった.5年累積生存率は,初回で56.4%,2回目で40.3%,3回以上で51.9%であった.手術時間,出血量,合併症,在院日数,生存率のいずれにおいても,各肝切除回群間で有意差は認めなかった.【結論】大腸癌肝転移において,初回肝切除,2回目肝切除と比較し,3回以上肝切除においても手術成績は同等であり,術後の生存率においても初回,2回目に遜色なかった.回を重ねるごとに腹腔内の癒着剥離に難渋する場合もあるが,3回目以降でも可能な限り肝切除を適応していくことが長期予後につながることが示唆された.
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