演題

PM14-5

原発巣と肝転移を同時切除した大腸癌肝転移の検討

[演者] 兒玉 英謙:1
[著者] 大島 有希子:1, 湯目 玄:1, 遠藤 文庫:1, 大塩 博:1, 島村 弘宗:1, 手島 伸:1, 斎藤 俊博:1, 武田 和憲:1
1:仙台医療センター 外科

【緒言】大腸癌同時性肝転移に対する原発巣と肝転移の同時切除(一期的切除)は,手術侵襲が大きくなり術後合併症や死亡率の増加が懸念される一方で,二期的切除と比較して合併症や予後に差はないとの報告もある.当科における一期的切除の治療成績を二期的切除と比較し,治療の妥当性について検討した.
【対象】2006年から2015年の10年間に当科で施行した大腸癌肝転移84例のうち,同時性肝転移は42例,異時性肝転移は42例であった.同時性肝転移に対し一期的切除を施行したのは18例,二期的切除は24例であった.両群の術後の合併症および長期成績などをRetrospectiveに比較検討した.
【結果】原発部位は,一期的切除は右側11例,左側・直腸7例,二期的切除は右側4例,左側・直腸19例で,一期的切除では右側結腸が有意に多かった.これは肝病変と原発巣が比較的近い部位にあるため同時切除がやりやすいためと考えられた.肝転移個数は一期的切除で平均2.64個,二期的切除で3.26個と二期的切除でやや多い傾向を認めた.H2以上およびGrade B以上は一期的切除でそれぞれ5例(27%),8例(44%),二期的切除で8例(34%),15例(65%)で,いずれも二期的切除で多い傾向を認めた.術前化学療法は一期的切除で6例(33%),二期的切除で18例(78%)に施行されていた.術前治療期間が6カ月以上の症例は一期的切除で1例(5.6%),二期的切除で9例(39%)と,二期的切除では病変がより進行しているために肝切除に慎重となっている症例が多いと考えられた.術後在院日数の中央値はいずれも14日であった.術後合併症は一期的切除で6例(33%),二期的切除で4例(17%)と一期的切除でやや多い傾向を認めた.90日以内の死亡例はどちらも認めなかった.6カ月以内の早期再発は一期的切除で1例(5.5%),二期的切除で9例(37%)と二期的切除に多い結果であった.3年,5年生存率はそれぞれ一期的切除で78%,59%,二期的切除で63%,39%と一期的切除の方が良い傾向を認め,同時期の異時性肝転移42例の成績(72%,58%)と比較しても同等であった.
【結語】今回の検討では肝転移の進行度の高い症例は残肝再発のリスクが高いと考えられるため二期的切除を選択する傾向がみられた.一期的切除を選択した症例は二期的切除と比較して治療成績は遜色ない結果であり,治療戦略の一つとして妥当と考えられた.
詳細検索