演題

PM14-4

大腸癌同時性肝転移症例に対する集学的治療戦略

[演者] 半田 寛:1
[著者] 松田 諭:1, 三原 康紀:1, 西谷 慎:1, 小野 滋司:1, 伊藤 康博:1, 渋谷 慎太郎:1, 江川 智久:1, 長島 敦:2
1:済生会横浜市東部病院 消化器センター消化器外科, 2:済生会神奈川県病院

【はじめに】近年の新規抗がん剤や分子標的薬の進歩により,大腸癌同時性肝転移に対する治療成績は向上しているが,切除のタイミングや化学療法との集学的治療戦略のエビデンスは確立されていない状況である.今回我々は当院での大腸癌同時性肝転移症例の治療成績を検討した.
【対象と方法】2010年1月から2016年11月までに当院において原発巣と肝転移に対して局所治療を施行した大腸癌同時性肝転移51例に対する治療方法と治療成績について検討した.
【結果】年齢の中央値は67歳(38-85歳)であり,全体の5年生存率(5y OS)は56.3%であった.原発巣と肝転移に対して一期的切除を施行している群は8例であり,二期的手術を施行している群は43例であった.二期的手術症例の中で37例は原発巣手術の後に化学療法を施行し,肝切除を施行している.一期的手術でも二期的手術でもOSと無再発生存率(DFS)に差はなかった.肝切除前に化学療法を施行している群において化学療法により腫瘍が術前に縮小している19症例(RECIST判定でPR)も縮小していない17症例(RECIST判定でSDまたはPD)もOSやDFSに差は認めなかった.予後不良傾向のある因子はリンパ節転移陽性,右側結腸症例やT4症例であった.4年以上の長期予後を得ている11症例について検討してみると,無再発で長期予後を得ている症例が2例あったが,9例に関しては,再発を認めながらも化学療法のレジメンを変更して治療を継続し,再切除やサイバーナイフを含めた局所治療を組み合わせている症例が多かった.
【考察】当院での大腸癌同時性肝転移に対する治療成績は比較的良好であり,一期的手術または二期的手術かはあまり問題ではなかった.肝切除後の再発に対して化学療法を行いながら,切除できるものは再切除等の局所治療を行っていく集学的治療の有用性が示唆された.
詳細検索