演題

WS06-3

肝内胆管癌に対する治療戦略

[演者] 安近 健太郎:1
[著者] 福光 剣:1, 石井 隆道:1, 瀬尾 智:1, 田浦 康二朗:1, 岡島 英明:1, 海道 利実:1, 上本 伸二:1
1:京都大学肝胆膵移植外科

【背景】
肝内胆管癌に対する根治療法は外科的切除であるが,その予後は症例によって大きく異なる.我々は#16リンパ節転移例は切除適応外としている.また,切除断端陰性化に必要な場合は肝内胆管癌に対しても肝外胆管切除を施行している.
【目的】
肝内胆管癌の予後因子について統計学的解析を行い,治療戦略の意義を考察する.
【対象と方法】
2008年1月から2016年10月まで当科において施行した肝内胆管癌初回切除84例を対象とした.このうち他病死を除く73例に対して腫瘍数,最大腫瘍径,病理組織型,脈管浸潤,リンパ節転移,TNM stage分類,生化学検査値,CEA,CA19-9,リンパ節郭清有無,胆道再建有無,術前・術後化学療法有無などの各因子に対して単変量および多変量解析を施行し独立予後因子を解析した.
【結果】
術後3年生存率は54.7%であった.リンパ節郭清を施行した50例中18例(36.0%)に病理学的リンパ節転移を認めた.リンパ節郭清施行有無別では予後に差を認めなかったが,病理学的リンパ節転移 (n0 vs n1),肝内転移の有無において術後全生存率(OS)および無再発生存率(RFS)に有意差を認めた.肝外胆管切除・胆道再建は16例に施行されており,非施行群との間で生存率に有意差を認めなかった.術後補助化学療法は40例に施行されており,Gemcitabine導入例:27例(67.5%),TS1導入例:12例(30.0%),GS導入例:1例(2.5%)であった.stageI/II症例よりもstageIII/IV症例に有意に導入されていた(p=0.012)が,補助化学療法導入群と非導入群間比較で予後に有意差を認めず,化学療法導入による予後改善効果を示唆していた.多変量解析の結果,肝内転移の有無が独立予後因子として同定された.
【結語】
肝内胆管癌初回手術症例において肝内転移の有無は強力な独立予後因子である.また,リンパ節転移陽性例は予後が悪いがリンパ節郭清の有無別の予後には有意差を認めず,症例によりリンパ節郭清の必要性に差があると考える.今後の予後改善には化学療法などの集学的治療のさらなる発展が望まれる.
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