演題

PM14-2

大腸癌肝転移切除後の残肝再発例における予後因子の検討

[演者] 野呂 拓史:1
[著者] 西川 誠:1, 星川 真有美:1, 青笹 季文:1, 梶原 由規:2, 神藤 英二:2, 辻本 広紀:2, 長谷 和生:2, 上野 秀樹:2, 山本 順司:1
1:防衛医科大学校病院 外科3・肝・胆・膵外科, 2:防衛医科大学校病院 第1外科

【背景】大腸癌肝転移切除後の残肝再発率は70%以上と高い.またその多くが,切除後2年以内の再発であることが報告されており,再肝切除を含む残肝再発への対応が,さらなる治療成績向上に向けて治療戦略の構築につながると思われる.
【目的】当院における残肝再発症例の予後因子と選択された治療法をretrospectiveに解析し,肝切除後再発例への治療戦略を検討する.
【対象及び方法】2008年4月から2015年12月までの大腸癌肝転移切除186例を対象とした.このうち,残肝再発を来した症例について,肝切除時の年齢,性別,原発部位,深達度,リンパ節転移,初回肝切除の同時/異時,肝外転移の有無,肝切除術式,CA19-9値,CEA値,腫瘍数,腫瘍径,肝切離断端等といった従来の因子に,原発巣の組織学的情報(v,ly,budding)を加えて,無再発生存期間(RFS)と全生存期間(OS)に対する影響を解析した.また,残肝再発への治療選択を検討する.
【結果】186例中131例(70%)(肝切除後観察期間中央値32か月(5-97))に再発を認めた.131例中,83例(男性57例,女性26例,年齢中央値は64歳(43-95))に肝転移再発を認めた.83例中50例は残肝のみ転移,33例は他臓器への同時転移を認めた.再肝切除が50例に対して行われていた.原発部位は結腸44例,直腸39例,リンパ節転移なし28例,あり55例,同時性55例,異時性27例.術式は葉切除以上が29例,区域切除部分切除が54例.肝転移数の中央値4個(1-36),腫瘍径の中央値3.3㎝(0.9-18)で,R0が115例,R1が16例であった.
また,v, ly, buddingに関しては当院で原発巣を病理組織学的に検索できた52例を対象に検討した.単変量,多変量解析ともに,RFSでは,化学療法の有無が,OSでは,H number(P=0.04),再肝切除の有無(P=0.002),budding(P=0.02)が有意な予後因子であった.再肝切除が選択される因子は,肝外転移のコントロールの有無のみであった.
【考察】
原発巣のbuddingが残肝再発症例の予後予測因子としても有用である可能性が示唆された.また,化学療法の治療戦略が確立できていなかった時期の症例も含まれていることや,肝外転移を伴う症例については限定的な適応であるといった点を考慮しても,改めて残肝再発に対する再肝切除の有用性が示された.
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