演題

PM13-7

類洞様血管構造をもつHCCと生体肝移植後肝癌再発に関する研究

[演者] 川崎 淳司:1
[著者] 吉住 朋晴:1, 本村 貴志:1, 長津 明久:1, 伊藤 心二:1, 原田 昇:1, 播本 憲史:1, 池上 徹:1, 副島 雄二:1, 前原 喜彦:1
1:九州大学大学院 消化器・総合外科学

【背景】肝細胞癌(HCC)切除標本において,一層の類洞様血管構造で囲まれる特殊な血管パターン(vessels that encapsulated tumor clusters; VETC)が存在するHCCサブタイプで脈管浸潤が起こりやすく,術後無再発生存率が不良であり,EMT(Epithelial-Mesenchymal transition)非依存的に血行性転移及び遠隔転移を来すためと報告された.HCCに対する肝移植後の検討は未だなされていない.
【目的】類洞様血管構造をもつHCCと臨床病理学的因子,生体肝移植後肝癌再発形式及び予後について検討する.
【対象】HCCに対し生体肝移植を施行した112例を検討した.
【方法】①生体肝移植を施行されたHCC標本を用い,血管内皮マーカーであるCD34染色にて,類洞内皮に囲まれたHCC clusterの有無(VETC)を検討した.②VETCの有無と腫瘍マーカー,病期,脈管侵襲などの臨床背景因子を検討した.③VETCの有無と肝移植後全生存率,無再発生存率を検討した.
【結果】①VETC構造は17例(15.2%)にみられた.②VETC(+, 17例)と VETC(-, 95例)では,腫瘍径5cm以上(23.5% vs 7.3%, p<0.05),分化度(n, 高分化:0 vs 10,中分化:7 vs 60,低分化:10 vs 25 ,p<0.05),脈管侵襲有り(82.4% vs 33.7%, p<0.01),術後病期(n, Ⅰ:0 vs 17,Ⅱ:1 vs 25,Ⅲ:8 vs 33,Ⅳa:8 vs 19, p=0.01)であり,VETC(+)では有意に腫瘍径が大きく,低分化で脈管侵襲があり,病期は進行していた.年齢,性別,ウイルス性肝炎の有無,腫瘍マーカーなどに差は認めなかった.③5年無再発生存率,5年全生存率はVETC(+)とVETC(-)ではそれぞれ52.9% vs 85.0%( p<0.001),70.1% vs 91.3%( p<0.01)と,VETC(+)群で有意に不良であった.
【結語】VETC構造をもつHCCは肝移植術後無再発生存率,全生存率ともに不良であった.
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