演題

PM13-5

初発肝細胞癌切除を行ったC型肝炎SVR症例の術後再発率の検討-IFNvsDAA-

[演者] 西村 太郎:1
[著者] 室屋 大輔:1, 川原 隆一:1, 酒井 久宗:1, 石川 博人:1, 安永 昌史:1, 赤木 由人:1, 奥田 康司:1
1:久留米大学病院 外科

【背景】C型肝炎患者においてDAA(Direct acting anticirals)製剤治療によるSVR症例が増加してきている.IFN療法によるSVR達成例における発癌抑制効果の報告は多いが,DAAによるSVR症例の発癌に関する報告は未だ少ない.今回,HCC切除を行ったDAA治療後SVR症例とIFN治療後SVR症例における術後再発率を比較検討し,DAAの再発抑制効果を検討した.
【対象】2004年から2013年までに当科で初発HCCに対して肝切除を行ったIFNによるSVR症例(IFN)59例(内訳はSVR後発癌:preSVR 36例,切除後SVR:postSVR 23例)と,2013年から2016年までに肝切除を施行したDAA後SVR(DAA群)26例(preSVR7例,postSVR19例).
【結果】無病生存期間中央値はIFN群2825日.DAA群1053日(P=0.077).その内IFN-preSVRは4366日, IFN-postSVR群2253日だった.DAA-preSVRは再発患者を認めなかったが観察期間中央値が197日と短かった.またDAA-postSVR群の無病生存期間中央値は1053日であった.なお,IFNによる非SVR群では921日だった.DAA群とIFN群間において,Child-Pugh分類ではDAA群が不良(DAA群5点:18例,6点:7例,7点:1例.IFN群5点:55例,6点:2例,P<0.01)で,ALBIgradeでも同様の結果だった(DAA群grade1:13例,grade2:13例,IFN群grade1:43例,grade2:16例, P=0.04).DAA群はIFN群と比較して有意に年齢が高く(DAAvsIFN:71±6.7vs64±8,P<0.01),男性が多かった(P=0.04).血清アルブミン値は低く(P<0.01),ヒアルロン酸値は高かった.さらに出血量と手術時間が少なく(P<0.01),系統的切除率も低かった(P=0.01).また腫瘍径は小さく(P=0.01),予後不良因子とされるnonboundary type(単純結節周囲増殖型・多血癒合型)は少なく(P<0.01),門脈浸潤も少なかった(P<0.01).DAAはIFNと比較して有意に再発が多かった(P=0.045).多変量解析では出血量と門脈浸潤のみが有意であった(P=0.04).
【結論】HCV関連肝細胞癌に対する初発根治切除症例において,DAA治療群はIFN治療群より再発抑制に劣る可能性が示唆された.
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