演題

PM13-4

Direct Acting AntiviralsによるC型肝炎治療後の肝細胞癌術後再発の検討

[演者] 裴 正寛:1
[著者] 波多野 悦朗:1, 岡田 敏弘:1, 麻野 泰包:1, 宇山 直樹:1, 鈴村 和大:1, 中村 育夫:1, 近藤 祐一:1, 末岡 英明:1, 藤元 治朗:1
1:兵庫医科大学病院 肝・胆・膵外科

【はじめに】C型肝炎による治療は,長年インターフェロン(IFN)をベースとしていたが,近年,直接作用型抗ウィルス薬(Direct Acting Antivirals:DAA)の出現により,高率にHCVの駆除が可能となった.しかし,DAAによるsustained virological response(SVR)後,比較的早期に肝細胞癌再発をきたす症例を経験しており,DAAが肝細胞癌への進展を抑制しているかは不明である.
【対象と方法】2006年1月から2015年9月までに,当科で治癒肝切除を行ったC型肝炎を背景とした初発肝細胞癌症例152例(平均年齢69.6歳,男女比105:47)を対象とし,抗ウィルス治療の有無および抗ウィルス治療法別に術後経過を検討した.
【成績】肝切除時,65例(42.8%)が抗ウィルス療法の既往があり,そのうち25例(38.5%)でSVRが得られていた.25例のうち,DAAによる抗ウィルス療法が施行されていたのは1例のみであった.術前SVRが得られていた症例(A群:25例),術後抗ウィルス療法が施行されSVRが得られた症例(B群:36例),そしてSVRが得られなかった症例および抗ウィルス療法を施行しなかった症例(C群:91例)に分類して1,3年無再発生存率を検討したところ,それぞれA群で91.8%,67.2%,B群で91.7%,76.2%,そしてC群で57.2%,27.5%であり,術前術後問わずSVRが得られた症例の無再発生存率は,SVRが得られなかった症例と比較して有意に良好であった(p<0.05).さらに,SVRが得られた症例で,IFNベースの抗ウィルス療法(IFN群:41例)とDAAによる抗ウィルス療法(DAA群:20例)の治療法別で検討したところ,経過観察中にそれぞれ17例(41.5%),5例(25.0%)が再発していたが,1,3年無再発生存率はそれぞれ,IFN群で90.1%,64.5%,DAA群で95.0%,88.7%であり,両群間で差はみられなかった(p=0.246).
【結論】C型肝炎を背景とした肝細胞癌に対しては,抗ウィルス療法の種類に関わらず,SVRが得られた症例で再発が抑えられていた.
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