演題

PM13-3

当科における非B非C型肝細胞癌切除症例の臨床病理学的特徴

[演者] 藤本 拓也:1
[著者] 坂本 和彦:1, 徳久 善弘:1, 徳光 幸生:1, 鈴木 伸明:1, 武田 茂:1, 吉野 茂文:2, 硲 彰一:3, 上野 富雄:1, 永野 浩昭:1
1:山口大学大学院 先端分子応用医科学講座(消化器・腫瘍外科学), 2:山口大学医学部附属病院 腫瘍センター, 3:山口大学 医学部 先端がん治療開発学

【はじめに】近年の肝細胞癌(HCC)の原因別調査においては,非B非C型肝細胞癌(NBNC-HCC)の割合の増加が報告されているが,その臨床病理学的特徴は十分に解明されていないのが現状である.今回我々は,当科における初発NBNC-HCCの臨床病理学的特徴について検討した.
【対象と方法】2012年1月から2016年12月までに当科で肝切除を施行した初発HCC157例を対象とし,NBNC-HCC群(NBNC群)とB型C型ウイルス性肝炎群(BC群)を後方視的に比較検討した.値は平均値,p<0.05を有意差ありとした.
【結果】内訳はNBNC群65例(41%),BC群92例(うちB型26例(17%),C型66例(42%))であった.年齢はNBNC群 70.4歳,BC群67.8歳.性別(男/女)はNBNC群(52/13例),BC群(57/35例)で,NBNC群において有意に男性が多かった.飲酒習慣(21g/日以上)のある患者はBC群(47/103例,46%)に比べ,NBNC群(47/65例,72%)で有意に多かった.術前の併存疾患有病率(糖尿病/脂質異常症/高血圧)は,NBNC群が52/35/66%,BC群が29/17/54%で,NBNC群で有意に高かった.肥満(BMI)については両群間に差はなかった.術前血液検査ではAST値は,NBNC群27.0IU/l,BC群38IU/lでNBNC群が有意に低値で,血小板数は,NBNC群16.1×10⁴/μl,BC群14.05×10⁴/μlでNBNC群が有意に高値であった.Child-Pugh分類,ICG15分値,プロトロンビン値,アルブミン値は両群間に差はなかった.主腫瘍径≧50mmの症例はNBNC群22/65例(34%),BC群12/92例(13%)で,有意にNBNC群で多かったが,腫瘍個数は両群間に差はなかった.術式(部分切除 /系統的切除)は,NBNC群(23/42例),BC群(43/94例)に差はなく,開腹/腹腔鏡下切除の割合,手術時間,出血量ともに両群間に差はなかった.背景肝の組織所見(正常-慢性肝炎/肝硬変)は,NBNC(49/16(24.6%)例),BC(52/40(43.5%)例)で,NBNC群は非肝硬変から発生した頻度が有意に高かった.
【考察】NBNC-HCCはアルコール摂取量が多く,術前の併存疾患有病率が高く,非肝硬変からの発生割合も高かった.また,BC-HCCと異なり定期的な肝画像検査が行われていないため発見時の腫瘍径も大きいことが示された.したがって,アルコール多飲者,または糖尿病など生活習慣病を合併している患者においても定期的なスクリーニングを行うことが望ましい.
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