演題

PL16-7

5cm以下の肝細胞癌に対する系統的肝切除の意義

[演者] 春木 孝一郎:1
[著者] 柴 浩明:1, 松本 倫典:1, 白井 祥睦:1, 飯田 智憲:1,2, 薄葉 輝之:1,3, 中林 幸夫:1,2, 三澤 健之:1,4, 岡本 友好:1,5, 矢永 勝彦:1
1:東京慈恵会医科大学医学部 消化器外科, 2:川口市立医療センター 外科, 3:東京慈恵会医科大学葛飾医療センター 外科, 4:東京慈恵会医科大学附属柏病院 外科, 5:東京慈恵会医科大学附属第三病院 外科

<背景>肝細胞癌では経門脈性に進展するため,根治性の点から担癌領域の系統的肝切除が望ましい.今回5cm以下の肝細胞癌に対する系統的肝切除の治療成績を検討した.
<方法>対象は当科で2003年4月から2015年12月,附属・関連病院で2013年1月から2015年12月までに施行した肝細胞癌に対する初回肝切除306例中,他癌の合併のない予後追跡可能な最大腫瘍径5cm以下の肝細胞癌195例 (年齢29-81 [平均62.1〕歳,男性:女性=158:37).系統的切除群 (n=93) と部分切除群 (n=102) の背景因子 (年齢,性別,肝炎ウイルス,ICG停滞率,Child-Pugh分類,血清AFP,血清PIVKA-II,腫瘍個数,門脈侵襲,手術時間,出血量,術中輸血,術後合併症) および無再発生存,生存期間について単変量及び多変量解析を行った.
<結果>多変量解析では無再発生存で系統的切除 (HR 0.582,95%CI:0.351-0.866,p=0.036),腫瘍個数多発 (HR 2.211,95%CI:1.255-3.893,p=0.006),門脈侵襲 (HR 2.260,95%CI:1.205-4.237,p=0.011),AFP高値 (HR 1.615,95%CI:1.020-2.558,p=0.041),ICG停滞率高値 (HR 1.647,95%CI:1.038-2.613,p=0.034),女性 (HR 0.376,95%CI:0.182-0.777,p=0.008)が,また生存期間で門脈侵襲 (HR 3.223,95%CI:1.301-7.987,p=0.011),AFP高値 (HR 2.285,95%CI:1.114-4.687,p=0.024)が有意な予後因子であった.系統切除ではICG停滞率が良好 (p=0.012)で,手術時間が長く(p<0.001),出血量が多かった (p=0.022).また残肝再発が有意に少なかった (p=0.021).術中輸血 (p=0.446),術後合併症 (p=0.810),術後在院日数 (p=0.501)に差は認めなかった.
<結語>系統的肝切除は5cm以下の肝細胞癌の無再発生存率改善に寄与すると示唆された.
詳細検索