演題

WS06-2

腫瘤形成型胆管細胞癌における炎症因子と予後,炎症指標としてのFDG-PETの有用性に関する検討

[演者] 渡辺 亮:1
[著者] 新木 健一郎:1, 久保 憲生:1, 五十嵐 隆通:1, 塚越 真梨子:1, 石井 範洋:1, 山中 崇弘:1, 吉住 朋晴:3, 桑野 博行:2, 調 憲:1
1:群馬大学大学院肝胆膵外科学, 2:群馬大学大学院 病態総合外科学, 3:九州大学大学院 消化器・総合外科学

【背景】胆管細胞癌は予後不良な悪性腫瘍の一つで,外科的切除が根治を望める唯一の治療法である.局所進行,遠隔転移,術後再発が胆管細胞癌の予後改善には問題となる.胆管細胞癌の悪性化・進行メカニズムは,不明な点が多い.最近,好中球リンパ球数比(NLR)やmodified Glasgow Prognostic Score(mGPS)などの炎症指標が癌の進行や治療後再発に関与することが報告されている.今回の検討では,(1) 胆管細胞癌において炎症因子(好中球数,CRP,NLRなど)と術後再発の相関,(2) 炎症状態を反映する指標としてFDG-PETの有用性,の2点を明らかにする.
【対象】腫瘤形成型胆管細胞癌52例(外科切除例41例)を対象とした.群馬大学病態総合外科・肝胆膵外科32例(手術症例 21例,化学・放射線療法11例),九州大学消化器総合外科20例(手術症例のみ)である.
【方法】(1) 術後再発の有無と炎症因子(術前好中球数,CRP,NLRなど)との相関を検討し,ROC曲線を作成しcut offを設定し,Disease Free Survival (DFS)を評価.(2) 治療前FDG-PETと炎症因子の相関を評価.
【結果】(1) 炎症因子のなかで術前好中球数が無再発群で3.23 103/µl,再発群で4.18 103/µlと有意な差が認められた(P=0.0211).好中球数3.70 103/µlをcut offとすると,DFSにおいては好中球数3.70 103/µl以上でP=0.00998と有意に予後不良で,多変量解析においても独立予後因子となった(P=0.04749).(2) 原発巣のFDG集積(SUV max)は好中球数とR2 0.468, P=0.00304と正の相関を示した.FDG集積はCRP(P=0.0275)やmGPS(P=0.00895)とも有意な相関を示した.
【結論】腫瘤形成型胆管細胞癌において術前好中球数は術後再発の予測因子となり,今後,炎症状態のコントロールが胆管細胞癌の予後改善のための治療ターゲットとなる可能性がある.FDG-PETは臨床的に胆管細胞癌の炎症状態を反映するツールとして有用であることが明らかになった.
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