演題

PL16-6

肝細胞癌再発症例に対する再肝切除の予後因子に関する検討

[演者] 松本 謙一:1
[著者] 和田 浩志:1, 江口 英利:1, 野田 剛広:1, 岩上 佳史:1, 山田 大作:1, 浅岡 忠史:1, 後藤 邦仁:1, 土岐 祐一郎:1, 森 正樹:1
1:大阪大学大学院医学系研究科 消化器外科学講座

【はじめに】肝細胞癌に対する肝切除,局所療法の生存率は改善しているものの治療後の再発率は依然として高く,再発巣に対する治療選択とその効果が患者の予後を左右する.教室では肝細胞癌再発に対し,可能であれば積極的に再肝切除術を行ってきた.そこで,再肝切除の適応を明らかにするために,再肝切除後の予後因子について検討した.【方法と対象】1980年4月から2016年1月までに腫瘍遺残のない手術を施行した肝細胞癌症例のうち,術後肝内再発に対して再肝切除を施行した81例を対象とし,予後予測因子について後方視的に検討した.【結果】性別は男性が73例,女性が8例,初回手術時と再肝切除時の平均年齢はそれぞれ62歳,66歳であった.再肝切除時の肝予備能はChild-Pugh分類Aが72例,Bが9例であった.再発形式は単発が55例,多発が26例で,腫瘍径中央値は22mmであった.再肝切除時の術式は63例に肝部分切除,12例に区域切除もしくは亜区域切除,6例に葉切除を施行した.76例に腫瘍遺残のない切除を施行し得た.再肝切除後の無再発生存期間と全生存期間の中央値はそれぞれ20か月,75か月であり,再肝切除時からの5, 10年生存率は56, 31%と良好であったが,5年無再発生存率は14%と低く,半数以上は2年以内に再発していた.単変量解析の結果,再肝切除後の再発率に影響する因子は,初回手術から再肝切除までの期間,再肝切除時の腫瘍個数,腫瘍径,脈管侵襲の有無,肝内転移の有無であった.再肝切除後の生存率に影響する因子は初回手術から再肝切除までの期間,初回手術時の腫瘍個数,再肝切除時のChild-Pugh分類,腫瘍径,組織学的分化度,脈管侵襲の有無,肝内転移の有無であった.多変量解析では,再肝切除後の再発率に影響する術前因子は,初回手術後36か月以内の再肝切除(HR=2.02, p=0.012),多発再発(HR=2.4, p=0.0021),腫瘍径>5cm(HR=3.7, p=0.017),再肝切除後の生存率に影響する術前因子は,初回手術時の多発腫瘍(HR=2.2, p=0.039)と再肝切除時の腫瘍径>5cm(HR=5.03, p=0.027)であった.【結語】肝細胞癌再発に対する再肝切除は初回切除に近い生存率が期待できる.しかし術後再発率は高く,特に再発までの期間が短い症例,腫瘍径が5cmを超える症例や多発症例の予後は不良である.
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