演題

PL16-5

BCLC intermediate stage HCCに対する肝切除の意義

[演者] 松隈 聰:1
[著者] 坂本 和彦:1, 徳久 善弘:1, 徳光 幸生:1, 鈴木 伸明:1, 武田 茂:1, 吉野 茂文:2, 硲 彰一:3, 上野 富雄:1, 永野 浩昭:1
1:山口大学大学院 先端分子応用医科学講座(消化器・腫瘍外科学), 2:山口大学附属病院 腫瘍センター, 3:山口大学医学部 先端がん治療開発学

【背景】BCLCガイドラインではintermediate stage (BCLC-B)に対する治療はTACEが標準治療とされ,生存期間中央値(MST)は20か月と報告されている.一方,本邦では肝切除が広く行われているものの,予後因子に関する報告は比較的少なく,切除の適応については明らかになっていない.本研究は,BCLC-Bに対する肝切除の予後因子を解析し,切除適応を明らかにすることを目的とした.
【対象と方法】2000年1月から2014年12月までに当科で肝切除を施行した447例のうち,BCLC-B 65例を対象として,肝切除後の全生存率に寄与する臨床病理学的因子についてCox比例ハザード解析を用いて検討した.さらに,TACE症例については,主腫瘍径(cm)と腫瘍個数の和(以下N+S)が予後因子として報告されており,検討に含めた.
【結果】術前画像での主腫瘍最大径の中央値は4cm (1.5 - 17cm),腫瘍個数の中央値は3個(2 - 20個),両葉病変は35例(53.8%)であった.HBV感染を13例 (20%),HCV感染を42例 (64.6%)に認め,12例(18.5%)でTACEなどの術前治療が施行されていた.術前のChild-Pugh score (5 / 6 / 7)は,37 / 27 / 1で,PIVKA-IIの中央値は160 mAU/ml (12 - 71200),AFPの中央値は32.4 ng/ml (0.8 - 239620.8)であった.全症例の1年,3年,5年生存率は,95.2%,69.2%,45.8%であった(MST 51.3か月).
49例 (75.4%)で根治術施行し,16例 (24.6%)で腫瘍が遺残したが,遺残腫瘍に対し全例でTACEによる追加治療を施行した.MSTは,それぞれ51.0か月と51.3か月で差はなかった.
術前因子で多変量解析を行うと,HCV陽性 (p=0.001, HR: 4.341),PIVKA-II 400 mAU/ml以上(p=0.0001, HR: 4.560),N+S:9以上(p=0.0077, HR: 2.611)が独立した危険因子であった.これら3因子がいずれも該当しない群(n=6),1因子該当群 (n=33),2因子該当群 (n=20),3因子該当群 (n=6)のMSTは,それぞれ92か月以上(未到達),74.5か月,37.9か月,16.3か月であった.
【結語】適応は限定されるものの,BCLC-Bに対する肝切除の成績は,MST51.3か月と比較的良好であった.特に,HCV陰性,PIVKA-II 400 mAU/ml未満,N+S: 8以下で良好な治療効果が得られる.
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