演題

PL15-7

4個以上の多発肝細胞癌に対する肝切除術の有効性

[演者] 熊本 宜文:1
[著者] 澤田 雄:1, 平谷 清吾:1, 藪下 泰宏:1, 森 隆太郎:1, 松山 隆生:1, 田中 邦哉:2, 秋山 浩利:1, 遠藤 格:1
1:横浜市立大学 消化器・腫瘍外科, 2:帝京大学ちば総合医療センター 外科

【背景】肝癌治療ガイドラインの肝細胞癌治療アルゴリズムでは4個以上の肝細胞癌は塞栓療法または化学療法が推奨されているが,手術療法も良好な成績が報告されている.【目的】今回教室における4個以上の多発肝細胞癌に対する肝切除術の有効性を明らかにすると伴に予後規定因子を解析した.【方法】1992年から2015年までに当科で行った肝細胞癌初回肝切除症例556例中,4個以上の多発肝細胞癌症例30例を対象とした.【結果】平均年齢は66.8歳,男女比は27:3,腫瘍個数は4-18個で中央値は4個,平均腫瘍径は68㎜であった.1年,3年,5年無再発生存率はそれぞれ46.7%,13.1%,13.1%.1年,3年,5年生存率はそれぞれ86.4%,54.8%,17.3%であった.4個以上の多発肝細胞癌肝切除症例の予後規定因子はvp2以上の門脈浸潤陽性(Hazard比5.297 p=0.03)と術前Alb3.5㎎/dl未満(Hazard比8.620 p=0.01)であった.両者を満たさない症例の1年,3年,5年生存率はそれぞれ90.2%,73.6%,23.8%で,少なくともどちらか一方を満たす症例の77.8%,18.5%,0%と比較し良好であった.【結語】4個以上の多発肝細胞癌症例でも,術前CTで門脈浸潤が明らかでなく,Alb3.5㎎/dl以上の症例は手術療法を選択してもよい可能性が示唆された.
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