演題

PL15-6

予後から考える再発肝細胞癌に対する治療戦略

[演者] 迫田 雅彦:1
[著者] 飯野 聡:1, 川崎 洋太:1, 橋口 真征:1, 又木 雄弘:1, 蔵原 弘:1, 前村 公成:1, 新地 洋之:3, 上野 真一:2, 夏越 祥次:1
1:鹿児島大学大学院 消化器・乳腺甲状腺外科学, 2:鹿児島大学大学院 臨床腫瘍学, 3:鹿児島大学大学院 保健学科

【目的】肝細胞癌(HCC)においては,初回肝切除後も半数以上の症例に残肝再発が発生するとされ,その後の治療選択は多様である.今回,根治的肝切除が行われた初発HCCの再発症例の予後を解析し,再発HCCに対する治療戦略を検討する.【対象・方法】1990~2013年間の初発肝細胞癌に対し,根治的肝切除が行われた411例を対象.再発治療後の予後,再発治療後の予後に影響する臨床的因子の解析および解析結果からみた推奨されると思われる至適再発治療法の検討を行った.【結果】1)初回根治切除後再発なし:146例(36%),再発あり:265例(64%).2)主再発治療は,再肝切除(Hx):38例,焼灼療法(Ab):33例,TACE:155例,化学療法(Ch):16例,無治療:23例.3)再発治療別における初回治療後の生存期間(OS)中央値は,Hx:101M,Ab:84M,TACE:54M,Ch:32M,無治療:11M.再発治療後のOSは,Hx:51M,Ab:48M,TAE:30M,Ch:10M,無治療:4Mで,HxとAbが良好(両群間に有意差なし).4)再発から再々発までの期間(中央値)は,Hx:22M,Ab:26M(有意差なし).5)HxとAb群で再発治療後の再々発に影響を及ぼす臨床的因子は,多変量解析で再発腫瘍数が多発であること,初発時より再発治療時のICG15分値が悪化していることが抽出された.6)再発治療後のOSでは,初発stageがⅢ or Ⅳであることが抽出された.7)再発腫瘍数で層別化すると,再発治療後の無再々発生存は単発再発(S)-Abが一番良好で,S-Hx,多発再発(M)-Ab,M-Hxの順.8)再発治療後OSでは,M-AbとM-Hxは予後不良.9)HxもしくはAb症例で,71例中25例が初回手術時より再発時のICGが改善していた.改善症例は再々発までの無再発生存期間が有意に長かった.【まとめ】再発治療は初回治療時よりも宿主因子と腫瘍因子の関係に制限が増えるため,低侵襲性など臨床的背景を鑑みた治療法選択が重要と思われる.また,初回治療後の肝機能改善が生存期間に対しても影響を与えることが示唆された.今回の検討より考えられる再発肝細胞癌に対する治療方針を提示する.
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