演題

PL15-5

Intermediate stage以降の進行肝細胞癌に対する集学的治療戦略

[演者] 石崎 守彦:1
[著者] 海堀 昌樹:1, 松井 康輔:1, 中竹 利知:1, 松島 英之:1, 權 雅憲:1
1:関西医科大学附属病院 消化器外科

【背景・目的】 BCLC-B以上の進行肝癌に対する治療は,欧米ではTACEかsorafenib(SOR)となっているが,本邦でのガイドラインでは肝切除や肝動注化学療法など含め治療選択肢が多岐にわたっており,また施設ごとに適応が異なっているのが現状である.今回当院での進行肝癌に対する治療戦略および治療成績につき検討した.【対象・方法】切除不能の基準は3DCTおよびGSAアシアロシンチfusionによる機能的残肝容量を用いて評価し,脈管浸潤の切除基準はVp4は対側門脈腫瘍栓がなくSMVに達しないもの,Vv3は心房へ達しないものとした.切除不能例のうち,高度脈管浸潤(Vp3,4,Vv3)例に対してはSOR+分割肝動注併用療法,Vp3/Vv3未満の場合はTACEを行い,TACE不応・不能の基準を満たす場合はSORを導入している.今回各々の治療群における治療成績ならびに予後因子につき検討した.【結果】①高度脈管浸潤(Vp3,4,Vv3)切除可能例(2000-2015,25例)の内訳は,Vp3/4/Vv3:20/2/3例,手術死亡なし,OSは1/5年生存率66.3/35.7%.②切除不能高度脈管浸潤例に対するSOR+分割肝動注併用療法40例の内訳は,平均腫瘍径8.4cm,Vp3/Vp4/Vv3:17/21/4例(重複有),治療期間中央値3コース,最良治療効果CR/PR/SD/PD:0/9/23/8例,有害事象grade3/4:6/0例,後治療は20例(肝切除3例,放射線治療2例,TACE4例,FP肝動注11例),OSは1/3年生存率55/18.5%,PR9例のOSは1/3年生存率77.8/29.6%,OSに関する予後不良因子は後治療なし・治療後CP≧7点であった.③TACE不応例に対するSOR42例(CPA,肝外転移なし)の成績を,過去のTACE不応基準後もTACE継続した30例と比較検討した.患者背景因子に有意差なく,肝予備能(CP-Cとなるまでの期間)はSOR群で有意に良好(中央値50vs16M),OSもSOR群で有意に良好(MST23 vs 14M),予後因子はSOR有・HBV(-)・AFP<1000・CP5点であった.【考察】BCLC-B以上の進行肝癌に対する治療は残肝機能を厳格に評価したうえで切除可能であれば肝切除が最善,切除不能例に対してはTACE/SOR/肝動注を含めた集学治療ならびに肝予備能の保持・適切な後治療が予後改善の鍵となる.
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