演題

PL15-4

多発肝細胞癌に対する治療戦略ー初回多発切除例および肝切後多発再発例

[演者] 網倉 克己:1
[著者] 高橋 遍:1, 國土 貴嗣:1, 宮崎 貴寛:1, 坂本 裕彦:1
1:埼玉県立がんセンター 消化器外科

【目的】肝細胞癌の外科治療においては3cm,3個以下が切除の良い適応とされ,4個以上の多発例は切除後の予後は不良でありTACEを含めた化学療法が推奨されている.肝多発再発を含めた多発肝細胞癌の治療経過について検討した.
【対象】2016年3月まで肝細胞癌切除436例中,4個以上多発41例.切除理由は最大腫瘍径>30mm-27例,門脈/胆道腫瘍栓5例,RFA/TACE/HAI後遺残5例,要鑑別/希望3例,腹腔側露出1例.術式はHr0;15,HrS;5,Hr1;7,Hr2-3;10.3個以下395例の術後再発259例中,肝多発再発は95例.初回再発時多発57例(再発の22.0%),再発治療中多発38例(再発後3年以上治療後11)であった.
【結果】初回3個以下/多発で手術関連死亡,5年OS,2年-3年RFS(症例数)は,11例(2.8%)/4例(9.8%),65.8%(n=162)/20.2%(n=5),44.3%(n=133)-35.0%(n=97)/11.2%(n=5)-8.4%(n=3).初回多発37例(手術関連死亡4例除く)術後-無再発4例,再発33例.初回再発形式;肝多発20例,遠隔転移7例(肺4,骨1,肺骨2),肝内再発3個以下6例.再発後治療;TACE 13,RFA 5,HAI 6,全身化学療法3,手術2,BSC 9.多発切除後5年生存5例;無再発1例(60か月),再発4例(再発後TACE 3,RFA 1;初回肝切後66,69,75,88か月癌死).
肝多発再発後治療はTACE 51,RFA/PEIT 10,TACE+RFA 19,HAI 10,全身化学療法9,手術7(他治療後手術4),BSC 8.多発再発後3年,5年OSは24.2%(n=21),12.0%(n=9)であった.手術関連死亡4例,BSC 8例を除いた多発例の治療別5年OSは手術(40例;初回多発37+多発再発後手術 3) 20.7%,IVR(84例)12.4%と有意差なく(p=0.1053),5年以上長期生存例も5例(12.5%),9例(10.7%)と同様であった.手術群の長期生存例は肝切後再発後のIVR(TACE 3,RFA 1(+手術),TACE+RFA 3,HAI 2)有効例であった.多発肝細胞癌で5年以上CR持続は手術群1例(無再発生存中),IVR群2例(TACE+RFA 1,HAI 1;102,150か月生存中)の計3例のみであった.
【まとめ】多発肝細胞癌は背景肝の線維化高度のため術後肝不全の高RISKであるばかりでなく,早期の肝多発再発や遠隔転移をきたすため予後不良であり,切除可能であっても手術適応は慎重にすべきである.全身化学療法や,HAI,TACE,RFAなどのIVR併用により長期生存の可能性があるが,充分なICのもと,肝機能温存の治療法を選択することが望ましい.
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