演題

PL14-6

新しい肝予備能評価・albumin-bilirubin(ALBI)-gradeを用いた肝癌肝切除における予後予測

[演者] 荒井 陽介:1
[著者] 本城 総一郎:1, 網崎 正孝:1, 森本 昌樹:1, 徳安 成郎:1, 坂本 照尚:1, 前田 佳彦:1, 蘆田 啓吾:1, 齊藤 博昭:1, 藤原 義之:1
1:鳥取大学医学部 病態制御外科学

【背景】肝細胞癌に関しては,治療方針決定や予後予測において腫瘍進行度のみならず肝予備能の評価も極めて重要である.術前肝機能評価としての肝予備能分類として,従来からChild-Pugh分類が広く用いられているが,肝細胞癌の切除症例ではChild-Pugh分類Aの症例が多く,Child-Pugh分類Aの中での細分化の必要性が唱えられていた.また高齢者では抗凝固薬の服用症例も多く,このような場合Child-Pugh分類での正確な肝機能評価が困難であった.近年肝予備能システムとしてALBI-gradeが報告された[(log10 bilirubin(μmol/L)×0.66)+(Albumin(g/L)×-0.085), Grade1:2:3 = ≦-2.60:<-2.60 to ≦-1.39: >-1.39][J Clin Oncol.2015:33:550-8]血清アルブミン値とビリルビン値のみで評価できるため,シンプルでデータ欠損がないという利点がある.肝切除術を受けた肝細胞癌(HCC)における予後予測におけるALBI-gradeの有用性を検証した.【対象・方法】当院で肝切除術を施行したHCC 141例(中央値 71 歳,男:女=119:22)を対象とした.術前の血液検査の結果よりALBI-grade1~3に分類し,それぞれの群でoverall survival rate,recurrent-free survival rateを算出した.【結果】ALBI-grade1,2,3=80例, 61例, 0例であった.Overall survival ratesではP=0.009,recurrence-free survival ratesではP=0.013をもってALBI-grade1がALBI-grade2より良好な成績であった.またChild-Pugh分類Aに限った症例の検討でもALBI-grade1がALBI-grade2よりOverall survival rates,recurrence-free survival ratesとも良好な成績であった.【結論】ALBI-gradeはHCC手術症例における予後予測に有用であり,かつChild-Pugh分類A症例において,より肝予備能の良い症例を抽出するのに適していると考えられた.
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