演題

PL14-5

肝細胞癌術後早期再発予測因子としての腫瘍マーカー腫瘍ボリューム比の意義

[演者] 吉沢 あゆは:1
[著者] 野田 弘志:1, 渡部 文昭:1, 遠藤 裕平:1, 兼田 裕司:1, 齊藤 正昭:1, 辻仲 眞康:1, 宮倉 安幸:1, 清崎 浩一:1, 力山 敏樹:1
1:自治医科大学附属さいたま医療センター 一般・消化器外科

【目的】肝細胞癌切除術後早期に再発する症例を時に経験するが,その予測危険因子は明らかでない.我々は初発単発肝細胞癌に対し肝切除術を施行した症例で,術前の腫瘍マーカー値(AFP,PIVKA-Ⅱ),CT検査で計測した最大腫瘍径(length)と腫瘍ボリューム(volume)と術後早期再発の相関を検討した.【方法】対象は2008年5月から2015年11月までの期間中,術前にAFP,PIVKA-Ⅱを測定し,かつ切除術後,当院で経過観察が可能であった初発かつ単発の肝細胞癌60例.術前に撮影された腹部造影CTを用いてlengthとvolumeの両者を測定し,腫瘍マーカー値,length,volumeに加えて AFP,PIVKA-Ⅱそれぞれの値を最大腫瘍径で除した値(以下AFP/length,PIVKA-Ⅱ/length),腫瘍ボリュームで除した値(以下AFP/volume,PIVKA-Ⅱ/volume)を計測し,これらの値及びその他の臨床病理学的所見(年齢,性別,B型,C型肝炎の有無,肝障害度,血小板数,摘出標本の腫瘍の分化度,病期)と再発の有無,再発時期との相関を後方視的に検討した.【結果】術後1年以内の早期再発患者は12例であった.術後1年以内の早期再発患者とそれ以外の患者に対して単変量解析を行うと早期再発患者のPIVKA-II値,PIVKA-Ⅱ/length値,PIVKA-Ⅱ/volume値が早期再発患者で有意に高かった(すべてp<0.01).この3因子を用いて多変量解析を行うとPIVKA-II/volume値(1.01(1.0001-1.01))のみが独立した早期再発の危険因子であった.【結語】PIVKA-Ⅱ/volume値はHCC術後早期の再発予測に有用であり,肝細胞癌の悪性度の指標である可能性が示唆された.PIVKA-Ⅱ/volume値は治療方法の選択や術後早期再発を念頭に置いたサーベイランスの方針決定に有用である可能性が示唆された.
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