演題

PL14-4

肝細胞癌切除症例の長期予後に関するaspartate aminotransferase/platelet count ratio index (APRI)の影響

[演者] 高橋 道郎:1
[著者] 大場 範行:1, 京田 有介:1, 金本 秀行:1, 佐藤 真輔:1, 大端 考:1, 渡辺 昌也:1, 高木 正和:1
1:静岡県立総合病院 消化器外科

【背景と目的】肝細胞癌の発生と成長には,腫瘍因子とともに,肝線維化や肝硬変の有無などの背景肝因子が深く関与している.非侵襲的肝線維化マーカーであるaspartate aminotransferase/platelet count ratio index (APRI)は,簡便に測定でき,肝線維化および肝硬変の診断に有用とされている.近年APRIが肝細胞癌切除後の予後と関連があるとの報告があるが,その数は限られている.今回われわれはAPRIが,肝細胞癌切除後の長期予後に影響するかを,当院のデータを用いて検討した.【対象】当科で2006年5月から2013年12月までに,195例の初発肝細胞癌に対し,治癒を企図した外科切除が行われた.これらを本検討の対象とした.【方法】APRIは,AST/30(当院での正常値上限)x100/血小板数として算出した.【結果】男性143名,女性42名,年齢の中央値は71歳(38-87)であった.切除検体の病理学的検査によりLC,LF,非LC/LFと診断された患者のAPRIは,それぞれ1.780,1.170,0.810であり,肝線維化,肝硬変に進むほど有意に高値であった(P<.001).Receiver Operating Characteristic (ROC) 解析を行ったところ,再発に対するAPRIの曲面下面積は0.693 であった.ROC解析に基づきAPRIのカットオフ値を0.756と定めたところ,APRI0.756以上の群の全生存率および無再発生存率は,0.756未満の群にくらべ有意に良好であった.(5年全生存率:78.5% vs 53.2%, p<.001) (5年無再発生存率:51.0% vs 14.1%, p<.001)【結語】APRIは,肝細胞癌切除後の長期予後の予測に有用な可能性がある.
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