演題

PL13-5

肝切除後の予後予測の指標としてのALBI分類の有用性 -Child Pugh scoreとの比較-

[演者] 福冨 章悟:1
[著者] 奥田 康司:1, 室屋 大輔:1, 野村 頼子:1, 田中 啓之:1, 赤木 由人:1
1:久留米大学病院外科学講座

【目的】肝切除において術前肝予備能と予後は密接に関連しており,その評価は非常に重要である. Child-Pugh(C-P)分類は肝細胞癌(HCC)患者の術前肝予備能評価の指標として広く使用されているが, 近年術前アルブミン値(Alb)と総ビリルビン値(Bil)のみを用いた簡便なALBI 分類が有用であることが報告されている. しかしこれらの報告はC-P分類A, B, Cとの比較でありC-P点数と比較した検討は今までにない.今回, 肝切除術後の予後予測における有用性をC-P点数と比較し検証した.
【対象・方法】2005~2014年の間に初発HCCに対して肝切除を施行した528例を対象とした. 対象症例の術前の血清Alb値(g/L)と総Bil値(μmol/L)をALBIモデル計算式 (Log10 Bil×0.66)+(Alb ×-0.085) に当てはめ, 機能良好順にA1, A2, A3に分類した(A1; -2.60 A2; more than -2.60 to -1.39 A3; -1.39<).術後肝不全 (PHLF) 発生率及び術後生存率をそれぞれ層別化し比較した.
【結果】ALBI 分類での内訳は A1 270例, A2 256例, A3 2例であった. C-P分類では5点396例, 6点103例, 7点26例, 8点 3例であった. PHLF発生率をALBI分類で比較するとA1 11% vs. A2 20% (p=0.003)であり, C-P点数では C-P 5点 12% vs. 6点 22% (p=0.0088)であった. 生存率を比較すると10年生存率はA1群 56% vs. A2群 27% (p<.0001)であり, C-P 5点 44% vs. 6点 25% (p=0.001)であった.区域切除 (Hr1)以上の症例に限定すると, PHLF発生率/生存率ともにA1-A2間で有意に層別化が可能であったが(p=0.003/p=0.025),C-P 5点-6点間では有意差は得られなかった(p=0.135/p=0.083).
【考察】今回の検討ではALBI分類は少なくともC-P 点数と同等の予後予測が可能であり, ALBI分類の方がより良い肝予備能を持つ症例を抽出していることが示された. また, Hr1以上の切除を要する症例においてはALBI分類はCP点数よりも正確なPHLF発生率及び予後の層別化が可能であることが示唆された.
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