演題

PL13-2

肝細胞癌術後,肝外転移に関わる因子解析

[演者] 日高 匡章:1
[著者] 曽山 明彦:1, 足立 智彦:1, 大野 慎一郎:1, 夏田 孔史:1, 原 貴信:1, 藤田 文彦:1, 金高 賢悟:1, 高槻 光寿:1, 江口 晋:1
1:長崎大学大学院 移植・消化器外科学

【背景と目的】肝細胞癌(HCC)は,肝切除後,高率に肝内再発を来すことが知られている.肝癌研究会の全国集計では,肝切除後,肝外転移を来す症例は約5%であるが,予後不良である.そこで,肝切除後の肝外再発に関わる因子を術前因子に絞って,解析を行った.【対象と方法】2000年から2014年まで当院でHCCに対して初回肝切除を行った277例中,経過観察中,再発を認めた164例を対象とした (観察期間中央値 53.6ヶ月).初回再発で肝外再発を来した肝外群(肝外再発のみ,肝外・肝内同時再発 n=26),肝内再発を来した肝内群(n=138)を対象に後方視的に検討を行った.検討項目は,ウイルス,年齢,性別,血小板,PT,Alb,T.Bil,AST/ALT,肝予備能(ICGR15,アシアロシンチ),Child-Pugh分類,肝障害度,AFP,AFPL3分画,PIVKAII,複数腫瘍,腫瘍径5cm以上をあげ,肝外再発に関わる因子解析を単変量(Mann whitney),多変量(ロジスティック回帰分析)解析にて行った.【結果】肝外群は平均再発期間13.1か月,肝内群は平均再発期間7.6か月で,有意に肝外群が再発までの期間が短かった(p=0.03).生存率は,肝外群 1/3/5年 72.4/ 43.3/ 26.0%,肝内群1/3/5年 96.4/ 82.4/ 64.5%で,肝外群で有意に低かった(p<0.01).単変量解析では,肝外群で,血小板,Albが低く,Child-Pugh grade Bが多く,AFP L3,PIVKAIIが高値であった.多変量解析では,HCV陽性症例で有意に肝外転移が少なかったが,肝外再発の有意な因子は抽出出来なかった.【結語】肝切除後,初回肝外転移を来す症例は,術後半年で発症することが多く,初回肝内再発群と比較して,有意に生存率が低かった.HCV陽性は肝内再発に関わる因子であったが,肝外転移に関わる因子は,術前因子からは有意な因子は同定出来なかった.今後,肝外再発に対する新たなマーカーの研究が必要である.
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