演題

PL13-1

肝細胞癌に対する肝切除後,再発に関する予後因子 -腫瘍径別(2㎝以下,2-5㎝)の検討-

[演者] 濵田 隆志:1
[著者] 日高 匡章:1, 曽山 明彦:1, 原 貴信:1, 大野 慎一郎:1, 足立 智彦:1, 藤田 文彦:1, 金高 賢悟:1, 高槻 光寿:1, 江口 晋:1
1:長崎大学病院 消化器外科

【背景と目的】肝細胞癌に対する治療は,腫瘍径,個数,肝予備能によって様々な治療が選択される.2cm以下の肝細胞癌はラジオ波焼灼と肝切除で治療成績はほぼ同等であるが,ラジオ波治療後,腫瘍マーカー高値症例での局所再発が多いとする報告も散見される.また,肝切除後は,局所再発は少ないが,術後肝内再発が問題となる.今回,肝切除後の再発に関わる因子解析を,腫瘍径別で後方視的に検討した.
【対象と方法】当院にて肝細胞癌に対し肝切除術を施行した478例(1991-2015)中,早期肝細胞癌と定義される①最大腫瘍径2㎝以下49例(10.3%)とミラノ基準で使用されている5cmをもとに②最大腫瘍径2-5㎝の88例(18.4%)とし再発因子について各項目を比較検討した.検討項目は,性別(男 vs 女),肝障害度(A vs BC),術前PT(<80%),術前血小板(≦16万),術前AFP(100≦),術前AFP-L3(10%≦),術前PIVKA-Ⅱ(40≦),腫瘍マーカー3種(陽性 vs 陰性),術前ICG15分値(15%≦),複数腫瘍(1個vs 2個以上),分化度(高 vs 中低),病理学的脈管侵襲(あり vs なし),系統切除の有無とした.統計は単変量解析をKaplan-Meier法(log-rank法),多変量解析をCox 回帰解析を用いて検討し,p≦0.05を有意差ありとした.
【結果】①最大腫瘍径2㎝以下肝細胞癌の肝切除後再発に関与する因子は,多変量解析で術前PIVKA-Ⅱ(40≦)であった.(p=0.05).②最大腫瘍径2-5㎝肝細胞癌では,単変量解析で術前血小板(≦16万)(p=0.01),複数腫瘍(p=0.01),AFP-L3(p=0.05)において有意差を認め,多変量解析では術前血小板(≦16万)(p=0.01),複数腫瘍(p=0.05)が再発に関与する因子であった.
【考察,結語】腫瘍径の小さな肝細胞癌でも,PIVKA-Ⅱ陽性では肝切除を行った後,再発に留意する必要がある.また腫瘍径2-5cm肝細胞癌では,術前血小板16万以下,複数腫瘍であれば,術後再発の危険性が上がるため,背景肝の状態改善,フォローが重要になると考えられた.それぞれの腫瘍径に応じた再発因子を参考に,治療法の検討および術後follow upを行うことが望まれる.
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