演題

PK15-6

肥満手術は腸内細菌叢変化を介して腸管炎症を抑制しインスリン抵抗性やNASH改善に寄与する

[演者] 柏原 秀也:1
[著者] 島田 光生:1, 吉川 幸造:1, 東島 潤:1, 徳永 卓哉:1, 西 正暁:1, 高須 千絵:1
1:徳島大学病院 消化器・移植外科

【背景】これまでにわれわれはDJB (Duodenal-jejunal bypass)が腸内細菌叢microbiotaの変化,GLP-1分泌増加によりDM・NASH改善効果を発揮することを報告した (JGH 2015).近年では高脂肪食で飼育したマウス腸管でmicrobiotaの変化をきたし,腸管上皮で炎症が惹起され腸管バリア機能が破綻することで炎症性サイトカインが脂肪・肝に達しインスリン抵抗性を引き起こすとの報告がされている(Cell metabolism 2016).今回我々はDJBにおける腸内細菌叢変化による腸管炎症抑制に着目し興味ある知見が得られたので報告する.
【方法】肥満・糖尿病ラットOLETF ratをDJB群 (D群n=4),開腹のみSham群 (S群n=4),GLP-1アナログ製剤Liraglutide投与群 (L群n=4)に分け,術後8週でOGTTを施行.全血・小腸・肝臓・糞便を採取し,腸管中炎症性サイトカイン (real time PCR)・肝NASH grading/staging,microbiotaを比較.
【結果】D・L群におけるOGTT30,60,120分の血糖はS群と比較し有意に低値であり,insulin抵抗性の改善を認めた (D,L群はn.s.).またD群AST,ヒアルロン酸は他2群と比較し有意に低値を示し,NASH grading/stagingにおいても軽度であった(DJB: Sham: Liraglutide=Grading 0: 0.75: 2.5/ Staging 0.25: 0.5: 2.5).D群microbiotaではinsulin抵抗性改善 (Diabetologia 2012)・肝steatosis改善 (Surgery 2016)に関連あるとされているProteobacteriaの増加を認めた.さらにD群の腸管炎症性サイトカインIFNγ (D3.42 vs L79.2 vs S15.1), IL1β (D0.70 vs L1.36 vs S1.45), TNFα (D4.49 vs L7.35 vs S10.1)は他2群より低値を示した.
【結語】DJBによるmicrobiotaの変化,特にProteobacteriaの増加が腸管炎症を抑制しインスリン抵抗性やNASH改善に寄与する可能性がある.
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