演題

PK14-5

胃癌周術期のTG,T-Cholの推移について

[演者] 高 正浩:1
[著者] 山本 和義:1, 藤田 正一郎:1, 安達 慧:1, 野中 亮児:1, 藤江 裕二郎:1, 橋本 和彦:1, 大西 直:1
1:NTT西日本大阪病院 外科

【はじめに】侵襲下の代謝の特徴としてブドウ糖酸化が抑制され,エネルギー源としてタンパクや脂肪が利用されることが知られている.胃癌術後の体重減少はQOLや術後補助化学療法の継続性に影響を与えるため,胃癌周術期の栄養改善は極めて重要であるが,周術期の脂肪代謝および体重減少に与える影響については,わかっていないことがおおい.【対象と方法】当院で,2016年7月から同年10月までの間に初発胃癌に対して手術を受けた患者全16名を対象とし,胃癌周術期の脂肪代謝マーカーとして,TGとT-Cholの推移と臨床経過,とくに術後体重減少率について検討した.【結果】患者の男女比は11:5,平均年齢は67±11歳であった.術式は胃全摘4例,幽門側胃切除9例,腹腔鏡下胃全摘1例,腹腔鏡下幽門側胃切除2例であった.TGとT-Cholの推移をみると,術後1日目にはいずれの数値も術前より低下するが,TGは術後2日目に,T-Cholは術後4日目から回復していた.さらに術後4日目にTGが術前値に回復している群7例(以下;回復群)と回復していない群9例(以下;非回復群)を比較すると,年齢・性別・術式等で有意差は認めなかったが,体重変化率については回復群で-3.3%,非回復群で-6.0%(p=0.012)と,有意差をもって回復群で体重減少が少ないという結果が得られた.【結論】術直後よりTG・T-Cholは減少するが,TGが術後4日目に術前値まで回復している症例は体重減少が少ない.このことから,手術直後から不足したエネルギー源として脂肪が利用されており,術後早期に脂肪を投与すると,エネルギー補充により体タンパク崩壊や体脂肪燃焼が抑制される可能性が示唆された.
詳細検索