演題

PK14-3

胃切除術後早期の体重減少抑制を目指した取り組み

[演者] 木村 豊:1,2
[著者] 三上 城太:2, 間狩 洋一:2, 藤田 淳也:2, 平木 洋子:1, 安田 篤:1, 新海 政幸:1, 今野 元博:1, 今本 治彦:1, 安田 卓司:1
1:近畿大学医学部 上部消化管, 2:堺市立総合医療センター 外科

【背景】胃切除術後,特に胃全摘術後には,グレリン分泌低下・貯留能低下による摂食量の減少,膵外分泌機能低下による消化吸収能の低下などのために術後早期から体重が減少する.術後早期の体重減少に対して胃切除術後早期からの経口栄養剤の投与が有用であることが報告されている(Imamura H: Ann Surg Oncol 2016, Kobayashi D: Gastric Cancer 2016).一方,膵頭十二指腸切除後には栄養剤と膵消化酵素補充剤が栄養状態の改善や体重減少の抑制に有用であることが報告されている(Yamazaki S: J Gastroenterol 2015).当院では,摂取カロリーの補充と消化吸収能低下のサポートを目的として経口栄養剤,膵消化酵素補充剤の投与行ってきた.
【目的】胃切除術後早期の体重減少に対する経口栄養剤と膵消化酵素補充剤の効果についてretrospectiveに検討した.【方法】2013年10月~2016年3月に胃全摘術,Roux-Y再建を行った胃癌のうち,術後に重篤な合併症なく1週以内に経口摂取が可能であった45例を対象とした.術後早期から経口栄養剤300~400kcal/日(ONS:O),膵消化酵素補充剤パンクレリパーゼ1800mg/日の投与(PL)を行い,ONS,PLの投与の有無別にそれぞれO-L-群(10例),O+L-群(7例),O-L+群(16例),O+L+群(12例)として,各群における術後6-8週間での体重減少率,血清アルブミン値(Alb),リンパ球数(Ly)の術前からの変化について,retrospectiveに比較検討した.
【結果】患者背景については,性別は男性35例,女性10例,年齢の中央値は70歳(48-86歳)であった.術後の体重減少率は,O-L-群9.5%,O+L-群6.1%,O-L+群6.9%,O+L+群6.2%であった.O-L-群に対して,O-L-群以外の3群(p=0.0349)およびO+L+群(p=0.0407)との間にそれぞれ有意差を認め,体重減少を抑制していた.一方,Alb,Lyの変化に関しては,各群間で有意な差を認めなかった.
【結語】胃全摘術後において,経口栄養剤または膵消化酵素補充剤による術後早期からのサポートが術後早期の体重減少の抑制に有効である.
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