演題

PK14-2

手術時骨格筋量は胃癌予後に影響する

[演者] 池松 禎人:1
[著者] 池田 貴裕:1, 関本 晃:1, 大菊 正人:1, 宮﨑 真一郎:1, 林 忠毅:1, 田村 浩章:1, 平山 一久:1, 金井 俊和:1, 西脇 由朗:1
1:浜松医療センター

【背景と目的】胃癌予後を左右する因子の一つに術前除脂肪体重,中でも骨格筋量があり,その量が多いほど免疫や栄養状態が良いと考えられる.ひとたび偶発症を併発しても重症化しにくいことが臨床的にもしばしば経験される.また術後補助化学治療完遂にも骨格筋量が関係している報告がある.今回は自験例で胃癌手術時の骨格筋量がその予後に影響するかを後方視的に検討した.【方法】2009年6月から2016年10月まで当院消化器外科で手術を行なった胃癌症例391例中で術前に骨格筋量をInBodyで測定した202例を対象とし,全生存期間,無再発生存期間に影響するかを検討した.【結果】全身骨格筋量(kg)を測定し,身長の2乗で除した骨格筋指数(SMI; skeletal muscle index, kg/m2)を求めた.その中央値は8.9(5.5~16.1)であり8.9以上を骨格筋量高値(H)群,8.9未満を低値(L)群としたところ,H群の5年生存率は79.7%,L群は64.0%であり,H群はL群に比べ有意に予後良好であった(Log-rank p=0.0067).同様に5年無再発生存を見てもH群で84.4%,L群で73.1%であり有意差を認めた(Log-rank p=0.0217).両群の内わけをみると病理学的進行度(pT,N,M,Stage)の分布に偏りはなく,末梢血リンパ球数,CRP,CEA,CA19-9の平均値にも有意差を認めなかった.両群間で差を認めたのは年齢,性別,体重,除脂肪量,BMI,血清アルブミン値,小野寺のPNI,CT撮影時第3腰椎レベルで求めた腸腰筋断面積などの栄養関連指標であったが,多変量解析では有意差を検出できなかった.【まとめ】胃癌初診時のSMIは病期進行度に影響されることなく栄養指標と関連して術前より患者予後を推定可能であった.胃癌周術期の体重減少が主に骨格筋減少を反映していることを考慮すると,術前検査の期間中いかに骨格筋を温存するかが肝要と考えられた.
詳細検索