演題

PK13-4

手術前禁煙は消化器外科患者の術前栄養状態を改善する

[演者] 脇屋 太一:1
[著者] 石戸 圭之輔:1, 工藤 大輔:1, 木村 憲央:1, 三橋 佑人:1, 袴田 健一:1
1:弘前大学大学院 消化器外科学

【緒言】
禁煙により体重増加が認められることは知られているが,消化器疾患罹患患者においても同様の変化があるかは十分に検討されていない.本研究の目的は,肝胆膵領域疾患罹患者における手術前禁煙が体重に及ぼす影響を検証することとした.
【対象と方法】
2012-2016年の当科の肝胆膵領域手術症例のうち,緊急手術および当科入院まで他院で入院加療中であった症例を除く全159例(男性93例)を対象とした.対象の手術時年齢の中央値は68(範囲26-84) 歳,BMIが22.3(14.5-37.3)kg/m2,Albが4.1(2.7-5.7)mg/dL,小野寺の栄養評価指数(以下PNI)が48.0(30.3-68.2)であった.原疾患は良性疾患が25例(15.7%),悪性疾患が134例(84.3%)であり,初診から入院までの期間の中央値は48日であった.当科初診後より禁煙をした群(以下術前禁煙あり群)とその他(喫煙歴なし及び初診時以前から禁煙,以下なし群)の2群に分け,後方視的に比較検討した.検討項目は初診から入院時までの体重変化,栄養学的評価項目の変化とした.更に,原疾患の良悪性別に検討した.
【結果】
2群の内訳は術前禁煙あり群26例(16.4%),なし群133例(83.6%)であった.禁煙あり群の8例(30.8%),なし群の17例(12.8%)が良性疾患であった.禁煙なし群で,初診から入院までに体重が増加したのは36例(27.1%)であったのに対し,禁煙あり群では20例(76.9%)に体重増加を認めた(p<0.01).体重変化量の中央値は,なし群-1kg(初診時体重の-1.8%),禁煙あり群+2.1kg(+3.5%)であり,群間に統計学的有意な差を認めた(各々p<0.01).栄養学的評価項目では,初診時より入院時に高値を示した症例は,アルブミン(46.2 vs. 38.3%, p=0.46),コリンエステラーゼ(65.4 vs. 33.1%, p<0.01),PNI(57.7 vs. 39.1%, p=0.08)と禁煙あり群で多かった.担癌患者に限定した検討でも,禁煙あり群の12例(66.7%)に体重増加を認め,その変化量は+1.7kg(+2.7%),PNIの改善例は11例(61.1%)であった.
【結語】
肝胆膵領域疾患罹患者においても手術前禁煙により体重増加が認められる.
詳細検索