演題

PK13-2

肝胆膵癌および生体肝移植におけるサルコペニアの術前呼吸機能に対する影響

[演者] 白井 久也:1
[著者] 海道 利実:1, 奥村 晋也:1, 姚 思遠:1, 小林 淳志:1, 濱口 雄平:1, 加茂 直子:1, 八木 真太郎:1, 岡島 英明:1, 上本 伸二:1
1:京都大学大学院 肝胆膵・移植外科学

【目的】サルコペニアは全身性の骨格筋量および筋力の低下を特徴とする症候群であり,外科手術後の予後不良因子とされている.しかし,サルコペニアが術前呼吸機能に及ぼす影響は明らかではない.そこで今回我々は,肝癌,胆道癌(胆嚢癌,乳頭部癌を含む),膵癌および生体肝移植における術前サルコペニアと術前呼吸機能に関する検討を行った.
【方法】対象は2003年11月から2015年12月までに当院で根治手術を施行した肝癌461例,胆道癌180例,膵癌297例および2008年1月から2015年4月までに当院で施行した成人生体肝移植症例207例.術前骨格筋量および筋肉の質は,単純CTを用いてPMI(psoas muscle mass index;両側腸腰筋面積(cm2)/(身長(m))2),多裂筋IMAC(intramuscular adipose tissue content;多裂筋のCT値/皮下脂肪のCT値)にて評価.検討項目は,男女別に,1)術前呼吸機能(%VC:%肺活量,VC:肺活量,FEV1.0%:1秒率,FEV1.0:1秒量)とPMI,IMACとの相関,2)ROC曲線にて男女別にPMIとIMACの至適cut-off値を求め,術前骨格筋量低下群と正常群,術前筋肉の質低下群と正常群で,各々術前呼吸機能(%VC,VC,FEV1.0%,FEV1.0)を比較.
【結果】1)男性:PMIは肝癌ではVC,FEV1.0,胆道癌ではVC,FEV1.0,膵癌では%VC,VC,FEV1.0,生体肝移植ではVC,%VC,FEV1.0と有意な正の相関.IMACは肝癌ではVC,FEV1.0,胆道癌では%VC,VC,FEV1.0,膵癌ではFEV1.0%,FEV1.0,生体肝移植では%VC,VC,FEV1.0と有意な負の相関.女性:PMIは肝癌,胆道癌,膵癌,生体肝移植いずれも有意な相関を認めず.IMACは肝癌ではVC,FEV1.0,膵癌ではVC,FEV1.0,生体肝移植ではVC,FEV1.0と有意な負の相関.
2)男性:骨格筋量低下群は正常群に比べ,肝癌では%VC,VC,FEV1.0,胆道癌ではVC,FEV1.0,膵癌では%VC,VC,生体肝移植では%VC,VC,FEV1.0で有意に低値.筋肉の質低下群は正常群に比べ,肝癌では%VC,VC,FEV1.0で胆道癌では%VC,VC,FEV1.0で膵癌ではFEV1.0%,FEV1.0,生体肝移植ではFEV1.0で有意に低値.女性:骨格筋量低下群と正常群で有意差を認めず.筋肉の質低下群は正常群に比べ,肝癌ではVCおよびFEV1.0で,膵癌ではVC,FEV1.0,生体肝移植ではVC,FEV1.0で有意に低値.
【結語】肝胆膵癌および生体肝移植において術前サルコペニアは呼吸機能低下と密接に関連しており,呼吸器リハビリテーション療法を含めた周術期介入の必要性が示唆された.
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