演題

腹腔鏡下胃切除における肝圧排法の工夫~ペンローズ横隔膜縫合固定法

[演者] 鈴木 崇之:1
[著者] 清家 和裕:1, 亀高 尚:1, 牧野 裕庸:1, 深田 忠臣:1, 斉藤 学:1, 山下 和志:1
1:小田原市立病院 外科

緒言:腹腔鏡下胃切除における肝臓の圧排は必須であるが,施設により方法が異なるのが現状である.当施設では以前よりペンローズ法による圧排を行っていたが,肋弓下固定では患者左側は外側区域の圧排が不十分となることが多かった.肋間での固定が好ましいと考えられるが,肋間動静脈の損傷のリスクもあるため,当科では横隔膜腹腔面にペンローズドレーンを縫合固定することによって良好な視野を確保しているので,報告する.あらかじめ6mm幅のペンローズドレーンを14cmとして,中央に長さ15cmの針つき3-0ヴァイクリル,片側端に両端針の1-0直針ナイロンを中央で切り,縫合しておく.また,15cmの3-0ヴァイクリルを用意し,1-0直針ナイロンの片側を残しておく.腹腔鏡観察後にペンローズドレーンを腹腔内に挿入し,横隔膜右脚に中央の3-0ヴァイクリルをまず縫合固定する.次に,1-0直針ナイロン固定側の反対側を患者左側とし,肝臓の大きさに合わせて,最も圧排良好な部位を横隔膜に用意しておいた15cmの3-0ヴァイクリルで縫合固定する.さらに,患者右側もペンローズで肝臓を挙上するが,剣状突起の尾側で腹腔外より1-0直針ナイロンを穿刺し,圧排良好となる部位を調整しつつペンローズ右側を刺入し,腹壁に固定することによって大半の症例は視野良好となる.最後にペンローズの右端にあらかじめ縫合していた1-0直針ナイロンを肝円索に刺入し,腹壁を貫通させると,肝円索の排除も可能となる.実際には肝臓の大きさは個人差が多く,本法では肝臓の大きさに合わせた調整が可能というメリットがあると考えている.腹腔鏡下胃全摘6例,幽門側胃切除1例に本法を施行したが,術後肝機能障害は術後急性膵炎の1例で遷延したが,他の6例は2~5病日でAST/ALTは正常化し,100IU/L以上となったのは2例のみであった.まとめ:ペンローズドレーン横隔膜縫合固定肝圧排法は良好な視野確保に有用であると考えられた.
詳細検索