演題

腸間膜化の概念に基づいた直腸癌に対する側方リンパ節郭清手技

[演者] 小林 宏寿:1
[著者] 野口 典男:1, 川上 雅代:1, 村松 俊輔:1, 太田 俊介:1, 岩田 乃理子:1, 春日 聡:1, 石沢 遼太:1, 前川 彩:1
1:東京都立広尾病院 外科

【目的】大腸癌治療ガイドラインでは,腫瘍下縁が腹膜翻転部より肛門側に位置し,深達度T3以深,直腸間膜内リンパ節転移陽性例には側方郭清が推奨されている.下部直腸癌症例における側方リンパ流について明らかにするともに,腸間膜化の概念に基づいた腹腔鏡下側方リンパ節郭清の手技について供覧する.
【方法】下部直腸癌側方郭清施行784例における側方リンパ節転移部位について検討した.【結果】784例中,側方リンパ節転移を117例(14.9%)に認めた.側方部位別リンパ節転移頻度は263D, 46%; 283, 38%; 263P, 28%; 293+273+270, 7.7%であった.特に283のリンパ流について検討すると,283に転移を認めた45例中,31例(68.9%)は263に転移を認めなかった.
【手術手技】一見,骨盤壁に沿って無秩序に存在しているように見える側方リンパ節であるが,内側→外側の順に剥離を進めることで,内腸骨動脈をfeederとする腸間膜に見立てることができる.ポイントはこの腸間膜化によって閉鎖・内腸骨領域リンパ節をen blocに切除することにある.手順としては1)尿管・下腹神経の温存(内側の剥離).2)外側の剥離(閉鎖領域リンパ節の郭清).この時点で閉鎖神経は末梢すなわち閉鎖孔近傍にて確保し温存する.閉鎖動静脈は切離.3)内腸骨動脈を露出しつつリンパ節郭清を行う.
【結語】直腸癌から283へのリンパ節転移は263を経由しない症例が約70%存在し,oncologicalには263と283をen blocに郭清することが推奨される.郭清手技は腸間膜化の概念を取り入れることで263と283のen blocな郭清が容易となる.
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