演題

細径胃管再建による腹腔鏡下噴門側胃切除後の消化管機能評価と逆流性食道炎

[演者] 矢内 充洋:1
[著者] 矢野間 透:1, 鈴木 雅貴:1, 木暮 憲道:1, 生方 泰成:1, 木村 明春:1, 高橋 研吾:1, 岩松 清人:1, 緒方 杏一:1, 桑野 博行:1
1:群馬大学附属病院 外科診療センター

【背景】腹腔鏡下噴門側胃切除術(LPG)は胃上部の早期癌に対する機能温存手術として有望だが,術後の逆流性食道炎や吻合部狭窄が問題となる.当科で施行したLPG・細径胃管再建症例についてその成績をまとめ,消化管運動機能および逆流性食道炎や吻合部狭窄の発生頻度などについて検討した.【手術手技】細径胃管再建を経口アンビルを用いたDST法で行う.細径胃管は幅3-4cm,長さ15-20cmで胃角部から大彎側を用いて作成する.吻合はOrvil本体を臍部小開腹創より挿入し,食道断端と胃管後壁を端側で吻合する.【結果】2009年から2015年までに62例に対してLPG・細径胃管再建術を施行した.手術時間は平均220.0分,出血量は平均126.9mlであった.術後,吻合部狭窄を13例(21.0%)に認めたが全例バルーン拡張で改善した.術後合併症は,縫合不全を2例(3.2%),腹腔内膿瘍を2例(3.2%),無気肺を2例(3.2%),麻痺性イレウスを1例(1.6%)に認めたが,いずれも保存的に軽快した.術後1ヶ月と1年で内圧測定法を用いて消化管運動機能を評価した.再建胃管は時間経過で肛門側胃管の収縮能は改善し,逆流性食道炎を認める症例で収縮能が有意に低かった.また,術後のCTからcircular staplerの位置を推定し,吻合部位置による逆流性食道炎や吻合部狭窄の発生率などについて比較した.術後の吻合部位置が胸腔にある症例は,腹腔内にある症例と比較して,有意に逆流性食道炎の発生頻度が高かった.【結語】PG後の逆流性食道炎は,再建胃管の収縮能と関係していた.また,食道残胃吻合部が陰圧下の縦隔内へ退縮することが逆流性食道炎のリスクとなる可能性が示唆された.
詳細検索