演題

腹腔鏡下噴門側胃切除術の手術成績に関する検討

[演者] 菅澤 英一:1
[著者] 辻本 広紀:1, 平木 修一:1, 堀口 寛之:1, 野村 信介:1, 神津 慶多:1, 神藤 英二:1, 梶原 由規:1, 山本 順司:1, 上野 秀樹:1
1:防衛医科大学校医学部 外科学

【緒言】当科では胃上部に限局し,残胃が1/2以上温存できる早期胃癌に対して腹腔鏡下噴門側胃切除術(LPG),食道残胃吻合を施行している.LPGの手術成績に関して,腹腔鏡下胃全摘術(LTG)と比較検討した.
【対象と方法】2009年から2015年までの間に,当科でLPGを施行した26例と,同時期にcT1N0の術前診断にてLTGを施行した26例を対象とした.両群の手術成績,術後短期成績,術後1年の栄養学的指標及び逆流性食道炎の頻度に関して検討した.尚,術後合併症の評価にはClavien-Dindo分類を,逆流性食道炎の評価にはロサンゼルス分類を用いた.
【結果】年齢,性別,BMIに関して両群間に差をみとめなかった.手術時間はLPG群で有意に短かった(236分 vs 275分,p=0.0038)が,出血量に差を認めなかった(83ml vs 192ml).術後在院日数に差を認めなかった(12.0日 vs 12.4日)が,Clavien-Dindo分類Grade II以上の術後合併症発生頻度は,LPG群で少ない傾向を認めた(19.2% vs 34.6%).術後1年時の体重変化率はLPG群で-12.1%であったのに対して,LTG群で-18.2%であり,LPG群で体重減少率が有意に低値であった.血清総蛋白値はLPG群で高い傾向を示した(6.9g/dl vs 6.6g/dl, p=0.0925)が,アルブミン値は差を認めなかった(4.0g/dl vs 4.0g/dl).術後1年目の上部消化管内視鏡検査にてGrade A以上の逆流性食道炎を呈した症例は,LPG群で9例(34.6%)であったのに対してLTG群は3例(11.5%)であり,LPG群で有意に高頻度であった.
【まとめ】LPGはLTGと比較して,手術時間が短い,術後合併症が少ない,術後1年時の体重減少が抑制されるといった利点を有していた.一方,逆流性食道炎の頻度は比較的高く,再建方法等の工夫を含め逆流症状の改善が今後の課題と考えられた.
詳細検索