演題

当科における進行胃癌に対する腹腔鏡下幽門側胃切除術の成績

[演者] 飯田 通久:1
[著者] 武田 茂:1, 兼清 信介:1, 北原 正博:1, 坂本 和彦:1, 鈴木 伸明:1, 吉野 茂文:2, 硲 彰一:3, 上野 富雄:1, 永野 浩昭:1
1:山口大学大学院 先端分子応用医科学講座(消化器・腫瘍外科学), 2:山口大学附属病院, 3:山口大学大学院

【はじめに】進行胃癌に対する腹腔鏡下幽門側胃切除術(LDG)の有用性についてはJLSSG0901の結果が待たれているが,最新のJSESアンケート調査では64%の施設でLDGにおけるD2郭清が行われている.当科でも2010年よりLDGの適応をcT2症例に拡大しD2郭清を施行してきた.今回stageⅠb-stageⅢ胃癌に対するLDGの成績について検討した.
【対象・方法】対象は2005年から2015年までに当科で幽門側胃切除術を施行した491例のうち,stageIAおよびstageⅣを除いたstageⅠb-stageⅢcの162例.開腹幽門側胃切除術を行ったODG群96例とLDG群66例に分け,術後短期成績および長期予後について比較検討した.
【結果】ODG/LDGにおける平均年齢は69.2/66.2歳,性別(男:女)は63:33/42:24であった.平均手術時間は271分/327分とLDGで有意に延長したが,平均出血量は456ml/203mlとLDGで有意に少なかった.リンパ節郭清度はD1,D1+:D2,14:82/33:33とLDGで有意にD2郭清が少なかった.D2郭清におけるリンパ節郭清総個数は34.9/34.2個で旧2群リンパ節個数は10.4/9.9個でいずれも差を認めなかった.最終病期(IB,Ⅱ,Ⅲ)は16:33:46 /30:31:5であった.術後合併症CD分類(GradeⅡ以上)は22例(22.9%)/8例(12.1%)で差を認めなかったが,腹腔内感染性合併症(縫合不全,膵液瘻,腹腔内膿瘍)発生率はODG群11例(11.4%),LDG群2例(3.0%)でLDG群に有意に低かった(P=0.05).術後在院期間はODG群24.3日,LDG群18.8日とLDG群で有意に短かった(P=0.02).病期ごとの5年生存率(IB,Ⅱ,Ⅲ)はODG群(77.4%,73.0%,45.6%),LDG群(91.5%,79.8%,算出不能)でstage IBにおける5年生存率はLDG群で良好であった(P=0.03).
【まとめ】stageⅠb-stageⅢ症例に対する幽門側胃切除術においてLDGはODGより手術時間の延長を認めるものの,出血量が少なく,感染性合併症の発生率が低く,術後在院期間が短かった.またステージIb,Ⅱ症例においてLDGはODGと同等の予後を得られる可能性があると考えられた.
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