演題

進行胃癌に対する腹腔鏡下胃切除術の安全性と有効性の検討

[演者] 田中 直樹:1
[著者] 武者 宏昭:1, 井本 博文:1, 青木 豪:1, 工藤 克昌:1, 唐澤 秀明:1, 大沼 忍:1, 元井 冬彦:1, 内藤 剛:1, 海野 倫明:1
1:東北大学大学院 消化器外科学

【背景】早期胃癌に対する腹腔鏡下胃切除術(LG)は,安全性が確立され,標準治療として期待されている.一方,進行胃癌に対するLGの位置づけは未確定であるが,実地臨床として広く普及している.
【目的】進行胃癌に対するLGの治療成績を検証する.
【対象と方法】当院で2007年からLGを施行した377例のうち,StageⅡ以上(規約第14版)で治癒切除となった65例について後ろ向きに検証した.なお,適応は当初の原則早期胃癌から2013年以降はT2N1までに拡大している.
【結果】1,患者背景 男性42例,女性23例.年齢68.7±11.5*才,BMI22.8±3.6*Kg/m2,ASA-PS 2以下:54例(83.1%),3以上11例(16.9%).2,術式 DG:38,PG:9,TG:18.DGのうち14例(36.8%)にガイドラインに準じたD2郭清が施行されていた.3,短期成績 手術時間255±59.6*分,出血量25(0-311)#g.Clavien-Dindo分類Grade2以上の合併症を8例(12.3%)に認め,術後在院期間の中央値は11(3-357)#日であった.4,進行度 Stage:ⅡA/ⅡB/ⅢA/ⅢB/ⅢC:30 / 17 / 7 / 5 / 6であった.5,術後補助療法 36例に術後補助化学療法が施行された.6,長期成績 術後観察期間の中央値は30.8ヶ月でStageⅡの5年生存率(disease specific / overall)は73.9 / 60.5%,StageⅢの5年生存率は56.4 / 47.0%であった.比例ハザードモデルでは,80才以上およびASA-PS3以上で有意にリスクが高い結果であった.
【考察】LGをハイリスク症例に対する低侵襲手術として,進行癌に対しても施行していたため,今回の検討対象にはハイリスク症例が多く含まれ,overallの生存率は大きく押し下げられた.ハイリスク症例も含めて,進行癌に対するLGは安全に実施可能であった.
【結語】進行癌に対するLGは安全に実施可能であるが,標準治療となるためには前向きの検討が必要である.
*Mean±SD,#Median(range)
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