演題

cStage II, III胃癌に対する腹腔鏡下幽門側胃切除術標準化の可能性

[演者] 玉森 豊:1
[著者] 久保 尚士:1, 櫻井 克宣:1, 日月 亜紀子:1, 清水 貞利:1, 井上 透:1, 田中 浩明:2, 六車 一哉:2, 大平 雅一:2, 西口 幸雄:1
1:大阪市立総合医療センター 消化器外科, 2:大阪市立大学大学院 腫瘍外科学

【はじめに】当院では早期胃癌より腹腔鏡下手術を開始し,現在は進行胃癌においても腹腔鏡下手術を第一選択としている.今回我々は当院での手技の定型化および治療成績から,Stage II, III進行胃癌に対する幽門側胃切除術標準化の可能性について検討した.
【対象と方法】2008年1月から2016年6月までに幽門側胃切除術を施行したcStage IIまたはIIIの胃癌292例を対象とし,うち腹腔鏡下手術を施行したLDG群188例と開腹手術を施行したODG群104例の治療成績について比較検討した.リンパ節郭清手技はD1,D2いずれにおいても定型化されており,D2ではODG群は外側,LDG群は内側アプローチによる膵上縁郭清を行う以外は共通した手技で行った.【結果】背景因子ではBMIがLDG群で有意に高かったがASA-PSは差を認めなかった.手術因子では手術時間・郭清リンパ節個数がいずれもLDG群で多く,逆に出血量は少ない結果となった.腫瘍径はODG群で有意に大きかった.pT, pNはいずれもODG群で高く,pStageもODG群で有意に高かった.合併症について有意差はないがLDG群で少ない傾向にあった.【考察】同じ臨床病期においてもハイリスク症例にODG群が選択され,リンパ節郭清も手控える傾向になっていた.LDG群は時間がかかっているものの出血は少なく,また手術の安全性についてもODG群と比べて遜色なく安定した結果が得られている.幽門側胃切除術においては進行胃癌でも手技を定型化することにより郭清の困難性が克服されつつあり,今後標準手術として定着できる可能性が示唆された.
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