演題

腹腔鏡下胃切除術の適応拡大の可能性についての検討

[演者] 中澤 一憲:1
[著者] 登 千穂子:1, 栗原 重明:1, 王 恩:1, 平川 俊基:1, 青松 直撥:1, 岩内 武彦:1, 森本 純也:1, 内間 恭武:1, 竹内 一浩:1
1:府中病院 外科

当院では,早期胃癌症例に対して2003年から腹腔鏡下胃切除術を開始し,2016年までにstage4を除く根治切除された初回胃癌手術症例522症例中,半数以上の270症例以上に腹腔鏡下胃切除術を施行してきた.その間2008年からはsm massiveの症例からD2郭清を行い,手技の確立,定型化とともに徐々に適応を拡大してきた.今回,本格的に腹腔鏡下胃切除術D2郭清を開始した2011年から2016年までに根治切除された初回胃癌手術症例284症例中,stageⅠAからstageⅡBまでの237症例を検討し,腹腔鏡下胃切除術の適応拡大の可能性に関してretrospectiveに検討した.
対象症例237症例中,stageⅠは196例(ⅠA 157例,ⅠB 39例),stageⅡは41例(ⅡA 19例,ⅡB 22例)で,その中で腹腔鏡下胃切除術を施行した症例は180症例(76%)であった.180症例中,腹腔鏡下の幽門側胃切除術,胃全摘術,噴門側胃切除術はそれぞれ,152症例,22症例,6症例で,リンパ節郭清に関してはD1+郭清,D2郭清が119症例,61症例であった.237症例中,ss以深の症例は30症例で,開腹手術が16症例,腹腔鏡下手術が14症例に行われていた.237症例の平均観察期間は36.3ヶ月で他病死4例(胆嚢癌,肺癌,肺炎,血液疾患),原病死は2例であった.再発症例は4例で,再発形式は,肝転移再発が3例(ss n1症例,ss n0症例,se n0症例),脳転移が1例(se n0症例)で,開腹手術症例が2例,腹腔鏡下手術症例が2例であった.ss以深もしくはリンパ節転移を認める(重複あり)症例が54症例あり,その中で31症例が腹腔鏡下に手術が行われ,2例に血行性転移再発を認めたものの,腹膜播種再発,リンパ節再発は認めていない.
今後も継続経過観察は必要ではあるが,今回の観察期間において当院における腹腔鏡下胃切除術症例の検討では,stageⅡ症例まで適応が拡大できる可能性が示唆された.
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