演題

腹腔鏡下幽門側胃切除術における第一助手の影響

[演者] 大平 将史:1
[著者] 栁田 尚之:1, 合地 美香子:1, 近藤 享史:1, 山田 健司:1, 舩越 徹:1, 稲垣 光裕:1, 赤羽 弘充:1, 中野 詩朗:1
1:旭川厚生病院 外科

【背景】腹腔鏡下手術においては,術者の技術のみならず,助手による十分な展開や適切な牽引が手術の円滑な進行においては非常に重要であると考えられる.今回,我々は腹腔鏡下幽門側胃切除術の短期成績における第一助手の影響について検討した.【方法】2013年11月から2016年12月までに,当科において日本内視鏡外科学会技術認定を取得している外科医が術者として施行した腹腔鏡下幽門側胃切除・BillrothⅠ法再建術を検討対象とした.他臓器の合併切除を要した症例は除外した.全症例において術者は同一であり,第一助手の卒後年数で4群に分けた(5年目以下: A群,6-10年目: B群,11-15年目: C群,16年目以上: D群).各群における手術時間,術中出血量,術後経口摂取開始時期,術後合併症,術後在院日数に関して比較検討した.【結果】検討対象症例は41例であり,第一助手は全体で11名であった.A群は2名の助手で5症例,B群は3名の助手で11症例,C群は3名の助手で15症例,D群は3名の助手で10症例であった.各群において年齢,性別,ASA,BMI,リンパ節郭清度,病期,初期臨床研修医参加の有無に有意差は認めなかった.手術時間の中央値(四分位範囲)は,A群292min(267.0-312.0min),B群222min(196.5-265.0min),C群245min(231.0-277.0min),D群232.5min(206.5-252.5min)で,A群において長い傾向を認めた(p=0.04).術中出血量や術後経口摂取開始時期,術後合併症に関しては各群において有意差はなかった(p=0.54, p=0.15, p=0.91).術後在院日数はA群で有意に短い傾向にあったが(p=0.01),これは手術施行時期の影響(2016年の症例の術後在院日数が有意に短い)を受けており,臨床的な意義は無いと考えられた.【結語】腹腔鏡下幽門側胃切除術において,第一助手の経験差による手術時間の差を認めた.しかし術後経口摂取開始時期や合併症,術後在院日数に影響はなく,日本内視鏡外科学会技術認定取得者の元では第一助手の経験年数に関わらず短期的には安全に施行可能であると考えられる.
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