演題

局所進行下部直腸癌における側方リンパ節郭清と治療戦略

[演者] 須藤 剛:1
[著者] 阿彦 友佳:1, 平田 雄大:1, 池田 栄一:1, 佐藤 敏彦:1, 大嶺 開人:1, 飯澤 肇:1
1:山形県立中央病院 外科

目的:下部直腸癌における側方リンパ節の郭清効果とリンパ節転移形態による予後ついて検討した.
対象と方法:
1995年~2014年までに当科にて両側側方郭清を施行された下部進行直腸癌381例を対象とした.側方郭清は全例開腹手術で,腹腔側より273,263P,263D,283領域を施行した.基本的に全神経,動静脈温存している.各リンパ節の転移状況と,側方リンパ節転移陽性例の予後を検討し,さらに各リンパ節の郭清の重みとして,郭清効果をインデックスにして求めた.郭清効果はリンパ節部位別転移頻度(A)と,転移を認めた症例の5年生存率(B)を乗じて計算した.郭清効果インデックス=A×B/100
263D,283リンパ節転移陽性例のリンパ節転移形態を組織学的に検討し,Type A:リンパ節辺縁の部分転移例をminimum,Type B:AとCの間の症例をmassive,Type C:リンパ節の構造を破壊し節外浸潤を伴う例をinvasiveと分類し転移したリンパ節の形態別による局所再発率や遠隔転移,予後を検討した.
結果:381例中側方リンパ節転移陽性例は64例(16.8%).郭清効果インデックスは,側方リンパ節転移例は9.49,273は0.4,263Pは1.2,263Dは6.1,283は7.35で263D,283は高値であり郭清効果があると考えられた.251-Tは19.2,251-1-Oは16.1,251-1-Aは1.6,252は3.3,253は0であった.
郭清効果の認められた263D,283リンパ節の転移形態毎の5年生存率はTypeA は各々91.6%,100%,TypeBは各々60.0%,77.8%であるがTypeCは各々12.5%,22.9%であった.Type毎の局所再発率を比較するとTypeAは各々0%,Bは33.3%,7.1%とCは37.5%,35%であった.
遠隔転移率はTypeAは各々8.3%,20%,Bは50.0%,27.7%,Cは87.5%,72.7%とTypeAからCになるにつれてその頻度は高くなった.
まとめ:
側方リンパ節263D,283においては郭清効果を示しており,側方リンパ節郭清は下部直腸癌の患者さんに有用な治療である.しかしながら,リンパ節転移形態でのinvasive typeは予後不良なため,術前後の集学的治療が必要と考えられた.
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