演題

腹腔鏡下胃癌手術における肥満の短期・長期成績に及ぼす影響~Body Mass Indexからみた検討~

[演者] 広本 昌裕:1
[著者] 村上 雅彦:1, 大塚 耕司:1, 山下 剛史:1, 伊達 博三:1, 五藤 哲:1, 山崎 公靖:1, 藤森 聡:1, 渡辺 誠:1, 青木 武士:1
1:昭和大学医学部 消化器・一般外科学

【背景】
本邦では肥満は増加傾向であり,今後さらに肥満患者の手術症例の増加が予想される.今回,Body Mass Indexからみた肥満の腹腔鏡下胃癌手術における影響について検討した.
【対象・方法】
当科で2010年から2014年までに胃癌に対し腹腔鏡手術を行った276例を対象とした.BMI≧25kg/m2を肥満群:O群,BMI<25kg/m2を非肥満群:N群とし短期成績および長期成績について後方視的に比較検討した.
【結果】
O 群:50例(18.1%),N群:205例(24.3 %)であった.年齢,性別,進行度,郭清度ASAに有意差を認めなかった.O群において手術時間の延長(O群:258.1±56.1分,N群:228.8±60.3分,p=0.0062)と出血量の増加(O群:156.8±172.1g,N群:109.8±123.6g,p=0.0222)を認めた.リンパ節郭清個数に有意差を認めなかった(O群:35.8±14.7,N群:37.1±15.1 ,p=0.762).術後合併症において,表層SSIのみO群で多く認められた(O群:4例(7.8%) ,N群:5例(2.2%), p=0.039).術後在院日数に有意差を認めなかった(O群:15.1±10.0日,N群:15.8±26.7日, p=0.341).また,5年生存率に有意差を認めなかった(O群:89.1%,N群:91.3%,p=0.7759).
さらに男女別では,男性において手術時間の延長(O群:258.4±59.3分,N群:229.9±58.6分,p=0.0206)と出血量の増加(O群:166.5±186.5g,N群:111.1±115.2分,p=0.043)認めたが,リンパ節郭清個数,術後合併症,術後在院日数,5年生存率に有意差は認めなかった
【考察】
肥満,特に男性肥満が手術時間の延長と出血量の増加をきたすと考えられた.一般的に男性肥満は内臓脂肪型が多いとされ,脂肪組織によって視野確保や手術操作に影響を及ぼした可能性があると考えられた.しかしながら,肥満によるリンパ節郭清個数の減少や,5年生存率の低下を認めず,肥満患者においても腹腔鏡下胃癌手術は根治性を損なわず有用であると考えられた.
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